弁護士によるオンライン申請(その2) ~弁護士がオンライン申請する場合の電子証明書について
2023.09.18更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で弁護士をしております、
野澤吉太郎です。
まずはオンライン申請をおこなうためにいくつか用意しなければならないものがあります。
一番大事なのは電子証明書です。
個人事務所の弁護士の場合、登記業務、税務業務については、
マイナンバーカードを使用することになります。
何かと嫌われるマイナンバーカードですが、用意する必要があります。
ただ、マイナンバーカードは士業の名において利用するためには
不十分な電子証明書です。
マイナンバーカードは士業登録と紐づいていません。
自宅住所のデータは内蔵されていますが、
事務所住所のデータは内蔵されていないからです。
士業用の電子証明書として、司法書士会は司法書士電子証明書、
税理士会は税理士用電子証明書(第五世代)、
社会保険労務士会は社会保険労務士電子証明書というものを
用意しています。
司法書士、社会保険労務士については、
セコムトラストシステムズ株式会社が有償で発行しています。
知る限りでは、司法書士の一般的な登記業務、
社会保険労務士の申請において電子署名が必要な場合には、
これらの電子証明書を使用することが
職業上義務付けられています。
税理士は職務上の義務かどうかまでは確認できませんが、
おそらく同様だろうと思います。
したがって、電子証明書が利用可能な場合に、
マイナンバーカードを利用することは通常はないと思われます。
社会保険労務士では、労働社会保険諸法令に基づく申請書の作成提出代行、労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成の提出等が独占業務とされています。
弁護士資格の保有を証明すれば社会保険労務士登録をすることができるので、社会保険労務士会に入会し、登録をすることとしました。
そうすると、電子申請するには社会保険労務士電子証明書を発行してもらう必要がでてきますので、電子証明書の発行依頼を行いました。社会保険労務士業務を行う場合にはマイナンバーカードを利用することはありません。
税理士業務については、税理士法51条通知による税理士業務開始の場合は、マイナンバーカードの使用でも問題ないようです。
したがって、私は登記業務、税理士業務については弁護士の肩書にてオンライン申請しますので、マイナンバーカードを利用しています。手探りではありますが、今のところ、マイナンバーカードを利用した電子申請でも補正なく受け付けられています。
他方で、社会保険労務士業務については、社会保険労務士として電子証明書でオンライン申請しています。
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