弁護士によるオンライン申請(その5)~登記業務でマイナンバーカードを利用する方法
2023.09.21更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で弁護士をしております、
野澤吉太郎です。
電子申請をするに、意外と心理的ハードルが高いのが登記申請です。
マイナンバーカードで本当に登記申請できるのか?が問題です。
オンラインの登記申請は、最初に失敗すると修正が大変です。
クライアントがいてこそ登記申請ができるのであり、お試しでやるわけではないからです。
それでも、法務局が使用可能な電子証明書としてマイナンバーカードを挙げている以上、マイナンバーカードを使えることは間違いないわけです。利用可能な電子証明書 | 登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと (moj.go.jp)
地方公共団体情報システム機構による「公的個人認証サービス」に係る認証局(http://www.jpki.go.jp/)
しかし、士業、代理業務として具体的にどうすれば使えるのかという話になると、自分にとってはとたんに話が難しくなります。情報を探してもほとんど見つかりません。
いろいろ検索する中で、岡口基一裁判官のFacebookの投稿(2018年10月31日)を見つけました。それをもとにさらに考えてみたところ、会員証明書(氏名、登録番号、事務所住所・名称、自宅住所の記載あり)と、弁護士身分証明書のコピー(登録番号と生年月日の記載あり)、運転免許証のコピー、あたりの書類を特例方式で送付してみるのが良いだろうと思いました。これにより、特に補正等を受けず、登記完了しました。
何度か試していますが、特に補正等を受けずに済んでおります。
ほかにも電子証明書の利用方法があるのかもしれませんが(知っている方からすると、馬鹿にされてしまいそうですが)、正直よく分かっておりません。早急に弁護士会が電子証明書の仕組みを構築していただいた方がありがたいです。マイナンバーカードは個人情報の巣窟です。使用するのが億劫ではあるので、変更できるものならしたいところです。それでも、弁護士の電子証明書を導入した場合、それぞれのシステムを再構築する必要があるので、難しいのかもわかりません。
不動産登記にせよ商業登記にせよ、登記申請で完全オンライン申請をするためには、クライアントも電子署名等の対応を完全に履行しなければなりません。現在、これはほとんど不可能なことです。登記申請では、特例方式に依らざるを得ず、郵送物をなくすことには現実味がありません。どうせ郵送のやり取りをしなければならないのであれば、特例方式で会員証明書や身分証明書のコピーを送付しても別におかしくはないのかなと思っております。
マイナンバーカードを用いて電子定款認証、設立登記をおこないます。それらの手続については、話が分厚くなるので別の機会に書いてみようと思います。
投稿者: