弁護士によるオンライン申請(その10)~e-tax、eLTAXのダイレクト方式電子納税
2023.09.26更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で弁護士をしております、
野澤吉太郎です。
先日までの記事に続いて、e-tax、eLTAXのダイレクト方式電子納税に関する手続きについて書きます。
e-tax、eLTAXの利用については、税務申告書等の申告関係書類を提出できる、というメリットもありますが、申告書類だけなら通常は税理士の先生の範疇であり、一般の会社にはあまり関係のない話です。e-tax、eLTAXの利便性の本筋は、電子納税を可能にすることにあります。
e-taxのダイレクト方式電子納税を開始する場合には、「国税ダイレクト方式電子納税依頼書 兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」という書面を所轄税務署に提出する必要があります。法人の場合はe-taxからのデータ送信によることはできません。
書面主義である理由は、金融機関口座の登録印と口座情報を記載する欄があり、金融機関による口座照合が入るからです。
口座名義の肩書が「代表取締役」ではなく「代表取締役社長」などと記載されていたりすると、提出から相当時間が経った後に、容赦なく差し戻されたりしますので注意が必要です。
[手続名]ダイレクト納付の手続|国税庁 (nta.go.jp)
eLTAXのダイレクト方式電子納税を開始する場合は、登録方法のガイドに沿い、口座情報を登録すると依頼書(「地方税共同機構ダイレクト納付口座振替依頼書」)が印刷されるので、金融機関口座の登録印を押して、指示通り封筒を作って郵送すれば終わります。手書き訂正が不可のようなので気を付ける必要があります。
ダイレクト納付口座の登録方法について | eLTAX 地方税ポータルシステム
電子納税ができるようになれば便利になります。
もちろん、全部の納税をダイレクト方式電子納税にすべきということでもありません。領収証書を欲しいような科目の納税の場合、領収印を確実に証拠化したほうがよいので、金融機関や税務署で直に手続したほうがよいです。システムトラブル等があったという話もあるようで、安全を優先するべき場合もあります。
源泉所得税の納付や地方税特別徴収などで手間がかかって仕方のない会社(源泉所得税の特例が適用できない会社など)などにおいて、ダイレクト方式電子納税の導入の実益は大きいです。
毎月毎月金融機関に行く手間を相当に省くことが可能です。
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