弁護士によるオンライン申請(その17)~社会保険提出書類の添付書類~社会保険関係の申請書の提出の訓練
2023.10.10更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で弁護士をしております、
野澤吉太郎です。
社会保険関連のオンライン申請について書きます。
【社会保険提出書類の添付書類】
社会保険労務士電子証明書または提出代行証明書
+社会保険労務士証票、を覚えるべき、
という点は、労働保険の場合と全く同様です。あとはPDFとかcsv添付を忘れないことが重要です。これらの点に気を付ければ一応何とかなります。
【社会保険関係の申請書の提出の訓練】
日本年金機構系の申請書については、最初は相当戸惑います。
電子申請をはじめるにあたり、練習(失礼)するのには、
期間に幅があるものが良いです。
具体的には、「賞与支払届」あるいは「賞与不支給報告書」あたりが良いと思います。
この書類の記載内容は、それほど難しいものではありません。
しかし、例えば全角半角、空白スペースなどの入力ルールを間違えると、差し戻されます。
正確には、到達後、システム上の自動チェックで不都合な箇所がある場合には、返戻されます。到達後30分くらいで、時間帯関係なく返戻されるので、人の目は入っていない自動検知のシステムと思われます。
健康保険証を返却する手続き(「健康保険被扶養者(異動)届」)なども良いと思います。
記載内容は難しいものではありません。
しかし、全角半角、空白スペースの入力ルール間違いは、返戻の原因となります。
到達後十数分くらいで返戻されたことがあります。理由を見たところ、『「その他の被扶養者になった日」の欄に実存しない日付が設定されています。実存する日付を入力してください。』
とありました。実存…凄まじい用語だと思い、心臓が止まるかと思いました。
確認したところ、被扶養者該当欄の元号選択コマンドで、
令和、を間違えてチェックしたまま残してしまっており、
年月日の数字を入力していなかったので、「令和」という実存しない日付が記載されていることになったようです。
「実存」はSEが使う言葉ではないはずです。
それはニーチェ、キルケゴールの領域。哲学用語です。
こういうところはなるべく普通の用語に修正していただきたいところです。
実務上大切なのは、「被保険者報酬月額算定基礎届」です。
毎年9月以降の標準報酬月額を決める(定時決定)ための届出書であり、7月1日から10日までが提出期限です。
この時期には会社の全従業員について手続をすることになります。
この手続をe-govの導入だけで完遂できるのかどうか?
答えは、無理です。
このことに気が付くまでに相当時間がかかります。
単記用、という手続はe-gov単体であるのですが、これをいくら工夫しても全従業員分は作成できない。
調べたら、届書作成プログラムを導入し、初期情報を入力したうえ、従業員の情報の入力を終え、途中でjkkという形式のファイルを経由し、csv化してe-gov上にする必要。
これらは昔から電子申請に従事されている方々においては常識だろうとは思います。
新参者にはわかりづらいというだけの話です。
最初にチャレンジする際にはe-govだけでやろうとしましたが、途中で挫折すれば、すべてやり直しです。最初のトライアルの際には事務員と弁護士の労力を総動員してことに当たりました。かけた労力を考えるとまったく割に合いませんが、やむを得ません。
正直、何をしていたのか、記憶が吹っ飛ぶくらいであり、よく覚えていません。
いずれにせよ、うまくいきそうな操作が見つかったときに、
写メで1枚1枚画像を撮影したり、それに解説文を加えたりすると、
操作方法がある程度記記録化できます。
一通りの操作を最初から最後までおこなえばだんだん慣れてきます。
投稿者: