ノウハウと営業秘密について(3)ノウハウを活かす方法
2015.11.29更新
東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で
弁護士をしております、野澤吉太郎です。
今回は企業のノウハウの重要度の識別について書きます。
1 ノウハウの蓄積を生かし切れていないこと
ノウハウと営業秘密について(1)のブログで書きましたが、
ノウハウを保有していても、それに誰も気がついていなかったり、
社内のプレイヤーがノウハウの利活用と相反する行動をとっていたり、
ノウハウの優位性を関係各位に上手に説明し切れていなかったり、
お金の使い方が間違っていたり、という、
その他の事情により、生かし切れていないことが、
往々にして見受けられます。
これをもう少し具体的に考えてみると、
言うほど簡単ではないことがすぐに分かります。
意外と自分のことは分からないものです。
(自分も人のことは言えませんが)
他と比較したり、部外者から言われて初めて気がつくこともあります。
2 ノウハウの言語化、可視化
日常業務に忙殺されていると、
ノウハウの長所に気がつかないことが多いですが、
直感的に気がついているだけではまだダメです。
説得的な言語で表現できないと、関係者にプレゼンできません。
言語でアピールできないと、社外にも説明できませんし、
社内では予算獲得もできなくなります。
プレイヤーの人事闘争、プレイヤーの偏見などから、
日の目をみないことも出てくると思います。
このようないろいろな障害のために、
多くのノウハウは埋もれているように思います。
私に限らず、案件を通じて外から企業を見ている弁護士は、
意外と、その企業の長所が何であるか、短所が何であるかに気がついています。
しかし、訴訟が終わればそれまで、ということで、
依頼者があまり外部意見を聞いてくれる感じがしないことも多いので、
これまでは、弁護士の側から、あえて伝えないだけのことだったと思います。
3 ノウハウの活かし方(洗い出しと秘密管理)
ノウハウの重要度を正しく識別するには、
社内の現状を事細かに把握し、
そのノウハウを客観的、公平な視点から、
全て洗い直していくという、非常に地道な作業が必要です。
本当にノウハウを体系化したいのであれば、
とにかく根本から洗い出すことが必要です。
そのうえで、重要度を識別してそれに応じた秘密管理をしていく、
というプロセスを経ることになります。
とにかく、疑問をそのままにせず、
根拠を見つけて、公平に判断していかなければなりません。
大変な作業ですが、ノウハウ、
営業秘密の識別を正しく行い、正しく実行すれば、
どのような会社でも必ず生まれ変わるはずと信じています。
そのお手伝いができれば、と思っています。
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