野澤吉太郎法律事務所 弁護士 野澤吉太郎

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法人設立ワンストップサービスについて(その5) ~法人の設立について①~手続

2023.09.12更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で弁護士をしております、

野澤吉太郎です。

 

法人の設立について、最も単純な事例を念頭において書いてみます。
個々の事例に適用できるかどうかについては、個別の状況により異なります。

 

会社を設立したいという依頼を受ける場合で最も多いのは、個人事業として事業を営んでいるが、信用を付けるために会社をつくりたい、という場合です。このような場合は、事業者としての能力見識が備わっている場合が多いです。

そうでない場合もあります。やむにやまれず会社を設立する、ということもあり得ます。
この場合は、登記業務とは別のアドバイスと並行しながら物事を進めることになります。取引先になろうとしている関係者がいれば、それらの方々に対する説明の方法も一緒に考えることがあります。最初から他者の信頼を得るのは難しいことです。どのような理念、ものの考え方を持つべきかを何か月も議論することもあります。実は、この作り上げる相談のプロセスが最も労力のかかるところです。これに比べれば設立手続は形式的なものに過ぎません。

 

会社の設立については、発起設立、募集設立とあります。
多くの場合発起設立を選択します。
また、多くの場合、株式会社、合同会社を選択します。

 

株式会社の場合、事務は以下のとおりです。
1 最初の準備
 ・商号(会社名)を決めます。

 ・想定している本店所在地を決めます。
  本店所在地を決める際に、物件確保のめどが立っている必要が

  あります。一つの知恵の使いどころかもしれません。
 ・商号と本店所在地が決まった後に、商号調査をします。

 ・印鑑セットを作成します。

  インターネット等で頼むこともできます。

  法務局登録印(実印)、銀行取引印、角印、ゴム印     

  などを作成します。
 ・発起人の印鑑証明書を用意していただきます。
 ・定款を作成します。公証人の認証を取得しますが、

  公証役場には、「実質的支配者申告書」を持参します。
2 公証人の認証
 ・公証人に定款認証をしていただきます。
3 法務局での登記申請
 ・発起人が発起人名義の銀行預金口座宛に出資金額を

  払い込みます。
 ・登記申請書その他の添付書類を作成し提出します。
 ・印鑑届書を提出します。
 ・会社設立後、印鑑カード交付申請をおこないます。

  そして履歴事項全部証明書や印鑑証明書を数通取得します。
  

なるべくオンラインで申請しようとする場合には、電子定款認証、法務局ではオンライン申請(特例方式)を利用します。

費用は、大きいものは定款認証費用で5万円+α(紙定款の場合は、収入印紙4万円別途)、登記申請時の登録免許税が最低15万円となります。専門家費用(弁護士等に依頼する場合の費用)が概ね10万円(消費税別途)となります。専門家に頼まない場合でも20数万円台、専門家に頼む場合には30数万円程度を必要とします。

 

必要に応じて、商業登記電子証明書の申請をすることがありますが、別の機会に書きます

投稿者: 弁護士 野澤吉太郎