弁護士とコンサルタント(6)弁護士、コンサルティングのアドバイスの違い
2015.11.04更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士活動をしております、野澤吉太郎です。
今回は、企業の顧客対応に関するアドバイスの方法について
書きたいと思います。
1 弁護士としてのアドバイス
お客様に対するクレーム対応のあり方について、
弁護士としてのアドバイスと、コンサルタントとしてのアドバイスは、
自ずと違うものとなります。
特に、個人の消費者をお客様としている場合には、
甚だしい違いを生じることもあります。
まずは、弁護士としてのアドバイスを示すこととなります。
契約内容に基づいて法的な判断を加えていくことになります。
例えば、店舗における対面販売などでは、
約款も契約書も存在しない場合が多いため、
法的には責任なし、クレームには応じる必要がない、
という結論を示すことが、わりと多かったりします。
しかし、昨今のように、
消費者のバイイングパワーが強くなった時代にあっては、
このアドバイスをそのまま一人歩きさせると、
お客様に不親切すぎであって、
当然ながら、顧客離れを起こす原因になります。
インターネットで悪口を書かれたりすることにより、
売上が下がっては、元も子もありません。
2 コンサルタントとしてのアドバイス
そこで、次にコンサルタントとしてのアドバイスを行います。
法的な原則論からどこまで修正して良いかを、
ご担当者と一緒に考えることとしています。
対象が商品であれば、返品対応、商品交換、郵送費負担の範囲、
段取りなどを検討します。
この対応により、個別にみれば、
商品売価を超過する負担が発生する場合もあります。
しかし、クレームの件数が比較的僅少である限り、
そのようなコストは避けられないもの、
と考えたほうが良いと考えています。
このコストとしていくらくらいを予算として見込むことができるか、
あるいは、どの範囲まで親切な対応をすることを許容できるかの
ルールを決めていきます。
ある程度ルールが決まれば、
現場のクレーム対応する方々も仕事をしやすくなります。
経営判断も絡むことになりますが、
適宜経営者とご相談のうえ、承認を得ていけばスムーズに進みます。
このようにして、不満を持つお客様の割合を
できる限り減らしていくことに神経を傾けます。
それでもご不満をお持ちの方については、
原則論に戻り、法的対応によって処理していきます。
弁護士として受任し、対応することもあります。
3 まとめ
まずは企業でお困りのご担当者の方に、法的な原則論を押さえていただくことは非常に重要です。
その原則から、どの範囲まで修正を加えることができるかを
一貫して判断していきます。
難しいことも多いですが、
経験を積み、このノウハウを確立していきたいと思っています。
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