企業法務/新規事業・ベンチャー立ち上げ支援(2)~合弁会社設立・ライセンス
2016.04.08更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
今回は、合弁会社設立、ライセンス付与について書いていきます。
1 合弁かライセンスか
新規事業を興そうと志願する場合の方法論は、
細かく分けていくと、いろいろな方法がありますが、
大雑把に分けていくと、
・自らが遂行するか
・他者に遂行を任せるか
の2つしかありません。
前者の代表例は合弁契約、後者の代表例はライセンス契約です。
前者は投資が大きいが関与の度合いが強く、
後者は投資は少ないが関与の度合いが弱い、
という特徴があります。
合弁契約にも既存企業買収、新規設立など、様々なパターンがあり、
ライセンス契約にも、知的財産権に関するライセンス、
製造販売ライセンス、フランチャイズなど、様々な小分類があり、
細目ばかりにとらわれると立ち位置を見失ってしまいます。
大まかに捉えることが重要です。
弁護士に相談が来るときには、経営者の方が、
合弁契約を締結したい、ライセンス契約を締結したい、
ついてはその内容を精査して欲しい、というように、
予めテーマ設定をしてくださることが多いので、通常は、
弁護士は与えられたテーマを詰めていく作業をすることになります。
しかし、細かくビジネスモデルを聞いていくうちに、
この件はライセンスで遂行したほうが良いのではないか?
この件は合弁契約で遂行したほうが良いのではないか?
という疑問を覚えることもあるかもしれません。
そのような場合には、率直な意見交換を行うようにしています。
2 自ら遂行する場合(合弁契約)
自ら新規事業を遂行する場合には、
資本と人材を拠出する必要があります。
多数株主である場合と、少数株主である場合とで、
守るべき利害が異なりますので、
背景にある事情を考察しながら、
契約書や定款の案文を作成することになります。
既存の会社が合弁会社を設立する場合には、
どの部署の誰をどのような方法で新会社に関与させ、
何を担当させるか、などの枠組みを、
早急に構築して交渉にあたる必要があります。
この点も意外に重要なところです。
弁護士が関与する領域は、
契約書や定款の作成のみならず、
事業の切り出しの方法のレビュー、
スケジューリングのレビュー、
ないし相手方当事者への説明
(外国会社であれば法制度も含めた説明)
など、多岐にわたります。
なお、合弁会社とその設立については、
「企業法務/会社法務(9)設立と定款」
「企業法務/会社法務(10)合弁契約・株主間契約」
のブログにも書いています。
3 ライセンス
ライセンスにはいろいろな形態がありますが、
着目すべきポイントは概ね決まっているように思います。
相手方と交渉される経営者の方々からみると、
いったい何に重点をおいてライセンス契約の締結交渉をしたらよいのかは、
意外に難しいように思います。
多種多様な内容があり、骨子を捉えづらいので、
合弁と比較してイメージが湧きづらい分野です。
商談は自由闊達に行いたいものです。
最低限伝えるべき事項をできるだけ簡潔に明示したうえで
あとは裁量で話してください、後で適宜条文を組み立てますので、
とお伝えすることは、弁護士が果たすべき重要な職務です。
全部言い尽くすことは難しいですが、
要点を抽出すると以下のとおりかと思います。
・ライセンスの範囲。どこで、何をして良いのか。
・独占権付与か非独占権か
・ロイヤルティの算定方法
・報告義務(ロイヤルティの算定について)
・権利保護に関する取り組み
・契約終了後の措置
以上は概略です。ビジネスの遂行上、いろいろな事態が想定されます。
細かく考えるべき点は、弁護士が綿密に考え抜いて、アドバイスしていくことになります。
より具体的なアドバイス等が必要な場合はお問い合わせいただければと思います。
■「企業法務/新規事業立ち上げ支援」についてのその他の関連ブログはこちら
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