相続対策(1)遺言の重要性
2015.11.30更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
今回は、相続対策、特に遺言について書きます。
1 「遺産争続」を避けるための遺言
最近も遺産争続というドラマが、
人気があるようですが(見ていませんが)、
生前に対策を打つときには、
争いを起こさないように願わなければなりません。
亡くなった後は分からないことですが、
後で争われては意味がないと覚悟を決めていただく必要があります。
契約書(4)というブログでも書いたのと同様のことですが、
相手の心を掴むという発想をもつことが、重要です。
優れた遺言は、その文言だけで、納得性を持たせることができます。
2 遺言に説得性を持たせること
遺産をどのように分配するかを決める必要がありますが、
その理由に説得性を持たせることが重要です。
どうしてこの遺産をこの人に相続させるのかなど、経緯について、
簡潔にでも、理由をきちんと説明したほうが良いように思います。
遺言は厳格な要式行為なので、この点について、
別の考え方をされる方もいらっしゃるように思いますが、
私は上記のような考え方をもっています。
要するに、遺された遺族に何を期待するのかをきちんと表現して、
遺族に納得していただく心意気が必要です。
弁護士の側も、お求めがあれば、相続人に対して、
どのような考え方をもっていらっしゃるかを、きちんと聞いて、
適切なアドバイスをできるようにしなければならないと思います。
遺産の分配方法は手段に過ぎません。
3 ポリシーの重要性
生きているうちにはいろいろな出来事があります。
ある人に多く相続させる遺言を書いたのに、
その人が突然不義理をしたり、
あるいは、その人が先に亡くなってしまうようなケースもあります。
そうでなくとも、遺産の分配に関する考えは、
時を経るごとに変わります。
将来の事情の変化に対応するため、腰を据えて、
根本的なポリシーを決めておく必要があります。
事業承継対策、相続対策などについて、文献などが沢山出ていますが、
すぐに飛びつくことは安直だと思わざるを得ません。
これらは、根本がぶれると全て変更を余儀なくされることだからです。
どのように遺産を分配するかを決めないと、
事業承継対策も、相続対策もできません。
次回は相続対策について思うところを書きたいと思います。
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