ノウハウと営業秘密について(1)ノウハウの蓄積
2015.11.27更新
東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で
弁護士をしております、野澤吉太郎です。
今回は企業のノウハウの蓄積について思うところを書いてみます。
1 「下町ロケット」をみて思うこと
最近、下町ロケットというドラマが話題になっています。
裁判もののドラマも、昔に比べて、
リアリティーが増してきたように思います。
別の企業から特許権侵害訴訟を提起され、和解勧告を出され、
解決した経緯、その後も部品の供給に拘り、
使用権の設定を拒み、成功を築いた経緯など、
ビジネス上も参考にしやすいリアルなストーリーであり、
興味を持ってみています。
2 どの企業にも埋もれたノウハウの蓄積がある
示唆された内容は、特許権に限定されることではないように思います。
経済産業省の営業秘密管理指針にも明らかにされていますが、
「事業活動において、その競争力の維持又は強化のために、
無形の経営資源である技術や
ノウハウなどの知的資産の創出、管理、活用、
結合等を重視した経営方法や
ビジネスモデルの構築がますます重要になって」きています。
「これらの知的資産はそれぞれの事業者に固有のものであり、
また、それを組み合わせて活用する方法が
新たな価値を生み出す力となるものであって、
その方法を他社が単純に模倣することは困難」です。
どの企業にも、その競争力を支えるノウハウがあるはずであり、
下町ロケットの話を珍しいこととして
とらえてはいけないように思います。
3 ノウハウの蓄積を生かし切れない原因
私自身もそのように思う事例を現にいろいろと見聞きしています。
惜しいことに、そのようなノウハウを保有していても、
それに誰も気がついていなかったり、
社内のプレイヤーがノウハウの利活用と相反する行動をとっていたり、
ノウハウの優位性を関係各位に上手に説明し切れていなかったり、
お金の使い方が間違っていたり、
という、その他の事情により、生かし切れていないことです。
次回は、営業秘密とノウハウの関係について書きたいと思います。
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