野澤吉太郎法律事務所 弁護士 野澤吉太郎

  • 弁護士野澤吉太郎をご指名ください 受付時間 9:30-18:00 土日祝 定休
  • お問い合わせはこちら 03-6871-9537

企業法務(2)会社法務と企業法務の違い(私見)

2015.12.15更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

会社法務と企業法務の違いについて私見を述べたいと思います。

 

1 会社法務と企業法務はイコールではない


 

 

日本では会社法に関する法務に詳しい人を

ビジネス弁護士だと把握する傾向にあります。

ある外国の実業家に聞いたところ、

「それはおかしいのではないか?」と言われたことがあります。

私も、心底そう思っています。

 

会社法は会社の根本規範であることは間違いありませんので、

会社法務は企業法務の一部をなすことは間違いありません。

しかし、会社法は、事業内容との関係では中立的な法律です。

会社法務はどの会社にも共通であるルールを扱う業務であり、

企業法務は、各種の事業に関連するルールを扱う業務である

と思っています。

すごく乱暴な言い方ですが、

刑法総論と刑法各論のようなイメージかと思います。

 

例えば、株主は、自ら事業を行うものではありませんので、

会社訴訟などにおいて、株主が、

事業内容そのものに触れて議論を行うことはあまりありません。

会社法を扱っている方がイコール会社の実務に精通している

と判断するのは少し早急では?と思います。

会社法の理解が、事業内容そのものの理解というところに、

直結していないように思います。

 

2 会社法がビジネスを阻害する場合があること


 

 

もちろん、会社法に詳しい人が、

公正に事業を観察するマインドを持てば、

ビジネスに対する理解が深まるということはあると思います。

しかし、ビジネスに対する理解のないまま、

会社法の議論だけを振り回すと、

(例えば株主権だけを声高に主張する、など)

往々にして、泥沼の世界になります。

皆でビジネスを遂行しようという世界とは、

およそ無縁の世界になることがあります。

しかも、最近は会社法の議論に

ビジネスが振り回され過ぎているように感じます。

 

3 違いにこだわる理由


 

 

上に述べたような懸念を突き詰めて考えると、

企業法務、という言葉の定義が不明確だから、

という点に由来します。

若干、思考停止を招く傾向のある言葉です。

 

一見して過剰なこだわりにも見えますが、

この誤解が、企業の活動を阻害し、

弁護士の職域を狭めている原因となっているように

見えることがあり、

私自身も、時として、

業務上の支障を感じなくもない問題ですので、

つらつらと考えているところです。

引き続き書いていきたいと思います。

 

弁護士野澤吉太郎について

 

■「企業法務」についてのその他の関連ブログはこちら

企業法務(1)弁護士が書く企業法務のブログの意義

企業法務(3)ビジネス弁護士

企業法務(4)これからのビジネス法務

企業法務(5)企業法務と労働問題

企業法務(6)労働問題処理の誤りが企業に与える影響

 

■「企業法務」についてのHPの詳しい情報はこちら

 

 

 

■相談・問い合わせはこちらをクリック■

--------------------------------

野澤吉太郎法律事務所

弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

「池袋駅」西武南口徒歩1分

TEL 03-6871-9537

HPはこちらをクリック

 

投稿者: 弁護士 野澤吉太郎