企業法務(6)労働問題の処理の誤りが企業法務に与える影響
2015.12.19更新
東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で
弁護士をしております、野澤吉太郎です。
今回は、労働問題の処理の誤りが企業法務に与える影響
について書きたいと思います。
1 労働問題の処理の誤り
会社の主張を反映させるときであっても、
言い方がまずかったりすると、全体に火を噴いてしまうことがあります。
たとえば、従業員の労災問題に対する処理などはその典型です。
過労死や労災に対する会社の見解がインターネット上に広がると、
事業に支障を来すことがあります。
インターネット上の口コミは、広がると収集がつかなくなり、
売上を落としたり、事業リストラ、
さらなる従業員のリストラなどを
行わなければならない場合もでてきます。
そうすると、いろいろな企業法務が派生することになりますが、
非常に深刻な事態です。
未然の事態を防ぐべきことを念頭において活動する必要があります。
労働問題と企業法務とは無関係のものではありません。
2 労使紛争を円満に解決する際には、場の作り方が重要であること
使用者側代理人は、主張を曲げることはないとしても、
相手の主張にも耳を傾け、徹底的な対話を繰り返すことが必要です。
場の作り方が意外と重要になります。
労働者側も、
自分に起きたような不幸な事態が起こらないようにしてほしい、
という気持ちがあります。
そのような訴えには耳を傾ける姿勢が重要ではないかと思います。
3 リストラ部屋~企業法務からの視点
会社側専門家も極端に走る人がいます。
例えば、従業員をリストラしたいがために、
リストラ部屋を用意したり、
社員を鬱病に追い込むアドバイスをする方がいます。
必要な場合もないわけではないと思いますが、
他の従業員に恐怖心を与え、
モチベーションを低下させていないか?が気になります。
オペレーションが下がると、会社全体の雰囲気が悪くなり、
内部統制が機能しなくなったり。
慎重に考えるべきことだと思います。
会社の仕事は、探せば無限にあります。
リストラしたいと会社が思うような従業員に対しても、
その方がよほど危険人物ではない限り、
たいていの場合、やっていただける仕事はあるはずです。
その人がその仕事をしたいかどうかは別として、ですが。
部屋に閉じこめたままでほとんど何もさせない、
というのは、如何なものかと思います。
ここでも、企業実務、ひいては企業法務の視点から、
物事を観察することが重要だと思われます。
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