倒産処理(1)自己破産申立て(個人の場合)と弁護士費用
2016.01.27更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
今回からテーマを倒産処理に切り替えて、何回か書きたいと思います。
まずは個人の自己破産申立について書きます。
1 自己破産申立
自己破産申立は、
大規模な法律事務所などで盛んに広告が出されている分野です。
弁護士以外に優秀なスタッフがいる事務所もあると思います。
確かに、マニュアル化できる要素も多いと思います。
しかし、個別の事案を見ていくと、
法律判断が必要な箇所が多々あります。
また、破産手続きの運用は、地方裁判所によって大幅に異なっています。
裁判所によってこれほど各種各様な手続きも珍しいところです。
これらの事情を踏まえ、結局は個別具体的に観察しなければなりません。
破産管財人として自己破産申立を観察することもありますが、
大規模事務所なので依頼者にとって優れた処理をしている、
という因果関係はないように感じます。
破産管財人を選任する破産管財手続が原則的な手続きです。
裁判所が選任する破産管財人が財産を換価し、破産財団を増殖させて、
破産管財人報酬等の手続き費用のほかに残余の財団があれば、
債権者への配当を行います。
破産管財人は、破産者の債務を免責して良いかどうかの調査も行います。
配当はおろか、手続費用も確保できないなど、
破産管財人を選任する意味に乏しい場合には、
同時廃止手続が選択されます。
この場合、破産管財人は選任されず、裁判所が免責調査を行います。
申立代理人側としては、同時廃止手続で済むのであれば、
そのまま済ませたい場合が多いので、
同時廃止手続で済ませられる心証を裁判所に得させるため、
様々な実務上の工夫を凝らしながら、準備を進めます。
2 弁護士費用
申立報酬と免責報酬に分けられます。
事案によりますが、申立着手金、免責着手金は、
20万円~30万円(消費税別途)にてお願いしております。
債権回収、財産処分等が絡む場合には、
上記とは別途ご相談させていただくことになります。
このほかに、実費がかかります。
申立代理人が要する実費は、
管轄裁判所、採用される手続きによって若干異なります。
収入印紙、予納郵券、官報公告費用、その他の実費で
概ね2万円~2万5000円程度となります。
3 その他の費用
破産管財人が選任される場合には、
破産管財人報酬を含めた手続き費用を予納する必要があります。
東京地裁では、最低20万円の予納金が必要です。
場合によって破産財団への財産の引き継ぎをする必要があるため、
予納金額が非常に大きくなる場合もあります。
費用が低廉であることを強調するためなのかどうか、
はっきりとは分かりませんが、
破産管財事件として取り扱われる件の
必要費用の説明の甘い弁護士が多々いるように思いますので、
この点はお気を付けいただくべきことと思います。
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