倒産処理(3)債権者破産申立(債権者側)
2016.01.29更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
次に債権者破産申立について書きます。
1 債権者破産申立
自己破産申立の場合は、債務者が自らの意思で破産申立をします。
これに対し、債務者が資産を隠匿している可能性があるなど、
その誠実性に疑問を抱かせるような場合には、
債権者が当該債務者について破産申立をする場合があります。
ここまでするに至る過程で、
債権者と債務者の関係は相当にこじれています。
社会の耳目を集めた消費者被害をもたらした法人などで
用いられることがありますが、
一般の弁護士が扱うことはそれほど多くない類型です。
私は何件か関与したことがあります。
裁判所は、債権者、債務者を呼び出し、審理を行います。
多くの場合、債権者は巨額の債権を有している場合が多いですが、
債権者が債務者の財務状況を正しく説明することは
それほど容易ではありません。
そのため、裁判所は非常に慎重に事件を審理しているように感じます。
債務者が破産を望まない場合には、破産手続開始決定まで数ヶ月、
ときには1年程度を要することもザラです。
事実上、申立外での和解により処理されるケースも多いです。
2 開始決定後の手続き
債権者破産申立によって開始決定が得られた後、
破産管財人が選任されますが、
その経緯からして債権者対応を念入りに行う必要があります。
また、法人と個人の両方が破産し、
事実上同一の機会に手続きが進行するほとんどの場合に、
その個人について免責不許可意見が出されることになりますので、
その対応も必要です。
相応のレベルの破産管財人が選任され、
時間を掛けて手続きを進行させることになります。
3 開始決定後の債権者代理人の関与
債権の回収の必要性、免責不許可事由に関する判断などは、
破産管財人、破産裁判所の判断によります。
債権者は情報を提供し、意見を出すことはできますが、
コントロールすることまではできません。
債権者代理人が成果を上げることは簡単ではありませんが、
最善を尽くすよう努力します。
4 費用等
弁護士費用等は、事案の軽重によりますが、
集会等の開催回数も多いので、100万円以上(消費税別途)+実費、にてお願いしています。
このほか、破産管財人報酬等に充てるための予納金を
債権者が納付する必要がありますが、
その金額は裁判所が決定することになります。
破産財団が円滑に回収された場合には、
当該予納金は当該債権者の元に戻されます。
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