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不動産事件(3)賃貸借契約書、出店契約書など

2016.03.12更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

今回は、賃貸借売買契約書の条項で注意すべき点、

 

出店契約書などについて書きます。

 

1 不動産賃貸借契約書の条項で注意すべき点


 

 

最初に強調しておくべき点は不動産売買契約書と同じことです。

不動産業者がひな形を用意しており、

その内容もだいたい似たようなものです。 

投資ファンドが絡んだりしている件では、

若干複雑になることがありますが、基本は同じです。

契約書のスタイルを習得したい場合には、

定型書式等を読み込むことが適当かと思います。

定型的、標準的な内容から逸脱している箇所(特約条項など)を

読み取って、その点について注意喚起していかなければなりません。

 

賃貸借契約に固有の特徴は、司法の世界では無視される内容の条項、

すなわち民法または借地借家法、

これらに関する判例の規範に反する契約条項がかなり多く記載されている、

という点です。

たとえば、賃料を1回でも延滞したら賃貸借契約が解除される、

などの条項です。

貸主はいつでも契約の解約の申入れをすることができ、

その場合、借主は立退料を請求できない、などの条項もあります。

立退料の請求不可、との条文は、司法の世界ではほぼ無視されます。

 

特に借地借家法は、借主の弱い立場を保護するとの観点から、

強行法規とされる条文が多く存在し、

この場合、法律の定めよりも借主に不利な条項は

法に反するものとして無効となります。

無効となるであろう定めを敢えて残しておくことは、

当事者間の紳士協定としての意味は持つかも知れませんが、

いざ争われたら無意味である、という点を、

お客様に予めお伝えしなければならないことは、結構多いです。

 

少し違う話ですが、借主の立場からは、

中途解約条項が入っているか否かに注意が必要です。

法律には中途解約に関する条文がありませんので、

途中で退去する場合には、中途解約条項を入れてもらうことが必須です。

不動産を今後活用する必要がないのに、借り続けることを強制され、

残期間の賃料の全額を請求されるのではたまりません。

出たくなったらいつでも出られるためには、

契約に定めを置くことが必要です。

 

2 商業不動産における定期借家契約への切り替え


 

 

商業不動産などにおいては、売上の見込めない店舗を退店させたり、

改装による集客を行わなければならない場合が多く、

借地借家法の規制にしたがうと機動的な事業再編が進まないため、

賃貸借契約でない契約を創設しようとするための

もろもろの工夫がみられました。

出店契約書などはその一例かと思います。

ざっくりと言えば、その場所を貸しているのではなく、

その場所で営業することを認めているだけだ、

という建付で、賃貸借契約ではない、

という説明をすることになりますが、

本気で争われると苦しいところです。

 

そのため、最近は、

商業不動産においても契約の性質が賃貸借であることを認め、

定期借家契約を締結するところが非常に増えているように思います。

 

出店契約書などは、各商業不動産ごとの定型書式であるため、

テナントが修正を求めることは容易ではありませんが、

たまに、標準的な内容からやや逸脱している内容が書いてあります。

他のデベロッパーの契約書にはこんな条項はないので変更して欲しい、ということを指摘するのが、

リーガルチェックの1つの仕事となります。

 

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