不動産事件(2)不動産売買契約書
2016.03.11更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
今回は、不動産売買契約書の条項で
注意すべき点などについて書きます。
1 不動産売買契約書の条項で注意すべき点
不動産売買契約書は、多くの場合、
不動産業者がひな形を用意しており、
その内容もだいたい似たようなものです。
投資ファンドが絡んだりしている件では、
若干複雑になることがありますが、基本は同じです。
定型契約に近いものであり、契約書のスタイルを習得したい場合には、
業界団体の発行する定型書式等を読み込むことが適当かと思います。
どの種類の契約でも同様ですが、
定型的、標準的な内容から逸脱している箇所を読み取って、
その点について注意喚起するのが専門家の仕事です。
典型的なものは特約条項に記載された事項です。
2 比較的多いトラブルとその対処法
(契約日と支払日を同一とすること)
これまでの経験では、瑕疵担保責任の内容、手付金などの取扱い、
担保権の抹消などを巡るトラブルが多いと感じます。
契約締結と代金決済の日取りが別々の場合には、
売主は物件を買主のために押さえておく(他の顧客には売却しない)
ようにするために、手付金の預託を求めていくことがあります。
しかし、詳細は別のブログで書こうと思いますが、
手付金、違約金絡みのトラブルは結構多いものです。
トラブルを少なくするためには、契約書の内容を修正することよりも、
契約締結と代金決済を同時に行ってしまうことのほうが
断然に良いと思います。
この場合、通常、買主が融資を受ける銀行において決済の席を設け、
売主・買主・不動産仲介業者・売主側の担保権者・司法書士が同席し、
契約の締結、代金の支払い、登記書類等の、
全ての書類を決裁の場で授受します。
押印前の書類を相互に確認して、
間違いがない状態をもって決済の場に臨みます。
弁護士が破産管財人として不動産を売却するときには
必ずこの方法を用います。
契約締結と代金決済が同一時であり、手付金の授受は発生しません。
担保権の抹消書類が整っていない限り、
ローンの実行、代金の授受もなされません。
瑕疵担保責任については、破産管財物件の場合には、
売主は責任を負わない旨の特約を設けます。
3 弁護士の関与
決済の席に臨席することは、
職業人として不動産業界に携わる方については半ば常識ですが、
一般の方の場合には不安に思われることもあるかもしれません。
また、規模の大きい取引、重要な取引の場合には、
弁護士が立ち会ったほうが適切な場合があります。
契約書のチェックにとどまらず、
決済の場に臨席する業務もお請けしております。
また、ご依頼があれば
契約書の起案、確認を業として承ることは、当然のことです。
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