相続と弁護士(1)~始めから終わりまで司令塔となる
2017.02.21更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
しばらくの間、ブログを書くのを止めていましたが、
久しぶりに再開し、相続について書いていきたいと思います。
1 相続に対する弁護士の一般的な関わり方
これまで、弁護士が相続に関与する場合、
「遺言の作成」
「相続放棄、限定承認」
「遺言執行者」
「遺産分割」
などと、
相続の全体像の一つ一つの場面を取りあげて、
弁護士が受任する場合が多かったと思います。
特に遺産分割に重きが置かれていたのではないかと思います。
少し前ですが、「遺産争続」というドラマがありました。
お客様の側にも、弁護士の側にも、
弁護士イコールトラブル、相続でいえば遺産分割、
の考え方が浸透していると思います。
確かに遺産分割の争いが大きい場合は、
当事者も弁護士も相応の労力を遣います。
その前後の出来事(遺産の調査、換金、登記、税務申告など)には、
関与しないか、別の専門家に任せる場合も多かったと思います。
2 司令塔の存在の必要~最初から最後まで相続に関与すること
しかし、相続の全体像を場面場面で切り分けて捉えていく考え方は、
相続人であるお客様のニーズを捉えていません。
専門家でチームを組んで対処する事例もあると思いますが、
大がかりな事例でない限り、専門家が複数介在することは、
費用が高くなり、専門家に依頼することに躊躇が生まれます。
相続人、専門家の情報が断片的になりがちです。
その躊躇の間に間違いが起こることも少なくありません。
不適切な結果をもたらすことも多いのではないかと思います。
最近、必要があり、相続の処理のほぼ最初から最後まで関与する機会がありました。
最初の時期の書類の確認から始め、換価を行い、
相続税申告書の原稿まで検討しました。
その中では、遺産分割協議書の作成などは取るに足らない事務処理でした。
争いのない事例であっても、その事務処理の量は非常に膨大なものです。
非常に労力を遣うということを身をもって知りました。
事務処理については誰に相談すれば良いのか?
事務遂行は弁護士に相談するべきものなのか?
一般の方々は本当に戸惑うと思います。
争いごとはないものの、
事務処理を円滑に進めることが大変な事例が、
圧倒的に多いのではないかと考えています。
「事務処理は明らかに必要だけれども、紛争はない。
だから誰に相談して良いのか分からなかった。」
という話を聞くことがあります。
争いのない事例であっても、全体の司令塔がいるほうが、
相続人はずいぶん楽になります。
司令塔が弁護士でなければならないわけではありません。
しかし、これから何回かに分けて理由を書こうと思いますが、
司令塔は弁護士とするのがベストであると考えます。
3 弁護士が紛争を解決する専門家であることは当然、
前提として、事務処理を行う専門家であるべき
弁護士は紛争を解決する専門家ですが、
それ以前に、事務処理を進める専門家です。
紛争があればそれを解決することは当然ですが、
お客様のご要望があれば、
紛争の有無にとらわれず、
最初から最後まで事務処理を執り行う姿勢で臨むべきものと思います。
これから具体例を書いていきたいと思います。
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