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労働問題(6)使用者側弁護士が労働事件でおこなう準備の例~パワハラの事例

2015.12.26更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

前回のブログに引き続き、

解雇の事例を具体例として書いてみたいと思います。

 

1 事案


 

 

必要な業務命令を伝えたところ、パワハラであると主張された。

会社と従業員のトラブルが深まり、従業員は自ら退職した。

パワハラについて慰謝料を請求された。

 

2 テーマ


 

 

少し強い調子で業務命令を伝えたが、特にパワハラではないと会社は考えており、

パワハラではないことの立証が必要になりました。

 

3 対処


 

 

上司と従業員とのやりとりの内容を、

日時、場所、方法を含め、聴き取っていきました。

電子媒体でのメッセージも存在しているようであったので

資料を全て取り寄せてもらいました。

従業員が精神的に不安定な様子がうかがえたので、

言うことが変わる経緯とか、

上司を困惑させるやりとりを中心に、

準備書面で主張していきました。

例えば、あのとき、Aの返答が返ってきたが、

次に質問したら、Bの質問が返ってきた。

Aの返答とBの返答は矛盾するが、

それに対する説明は一切なかった、

などの事実を聴き取りました。

 

4 結論


 

 

原告の請求額の1割~2割程度の、

若干の解決金を支払うことで和解できました。 

 

5 必要なこと


 

 

法的手続きにまで乗るかどうかは別として、

この手の話は意外と多いと感じます。

若い労働者の場合は、ご両親が介在したりすることもあります。

業務命令を下したつもりがパワハラだと言われることが多くあります。

業務命令を下すことが、前近代的である、

などと、会社業務にまるで無理解な主張を受けることもあります。

 を疑わせる場合があります。

しかし、このことを根拠なく書いてしまうと、

人格攻撃だと思われても仕方ありませんので、

よほど確たる証拠がない限り、書いても意味がありません。

細かい事実関係を指摘して、暗黙知の状態で、

判定者に理解していただくことに努めます。

 

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