契約書(4)交渉と契約のポイント
2015.11.26更新
東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で
弁護士をしております、野澤吉太郎です。
少し間が空きましたが今回は、
交渉過程で契約書を提示するときに気をつけるべき点について書きます。
1 交渉過程の契約書の提示の仕方
交渉過程で契約書案を提示する際には、
契約書案に、こちら側に有利な内容を盛り込むことが重要なことです。
それと同時に、相手方に対して、
こちら側と契約を締結することに確実にメリットがある、
と暗に思わせることが重要です。
相手の心を掴みなさい。俺が相手だったらこんな契約書にサインしない、
と言われたことがあります。
なるほど、と思いました。相手の心を掴む、という発想についてです。
当然のことですが、相手がサインしてくれない限り、
各論に気を遣っても、意味がありません。
2 フォーマットを押しつけてくる相手方に対する考え方
ときおり、相手方が自社の契約書のフォーマットに
必要以上に固執しているケースが見受けられます。
往々にして、相手方の法務部?などの関連部署のコメント等を見ると、
非常に失礼なことが書いてあったりします。
契約書の文言の修正を頼まれた場合でも、
目に余る場合には、私のほうから、
「ここと契約を締結することが本当に必要ですか?
どういうメリットがありますか?」
と聞き返し、覚悟を決めてもらうこともあります。
3 弁護士が気を遣うべき点
抽象的な言い方になりますが、弁護士として気をつけるべきことは、
まずはお客様の実情を理解して条項に組み込むこと、
その上で、可能な範囲で相手の心を掴む仕掛けを施すこと。
相手に魅力を感じさせる条項を入れた際には、
バーターとして、お客様のリスクを減らす仕組みを考案すること、
といったところでしょうか。
このように、双方への配慮を施すことが必要となります。
そのためには、お客様の側から入念な聴き取りをする必要があります。
お客様において、契約書の起案の過程で
弁護士の聴き取りに協力してくだされば、
今後想定されるリスク等について
思い起こしていただけるものと思います。
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