弁護士業務の新規開拓など(1)~新規事業への進出
2016.02.17更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
少しテーマを変え、
弁護士業務の新規開拓について試論を書きたいと思います。
1 顧客単位の開拓
弁護士の間で新規開拓の方法は各人各様であると思います。
これまでのところ、全体として、この業界では、
顧客開拓に重きが置かれていたように思います。
顧客とのつきあいを広げる方法としては、
例えば酒席、ゴルフ、ロータリークラブに参加するなど、
いろいろな方法がいわれています。
弁護士会の派閥、委員会、勉強会、業界団体にこまめに顔を出す、
などの方法を採っておられる方もいます。
ホームページなどで広告を打つことなども一種の戦略だと思います。
どの件に、どのようにメリハリを置いているかについて、
詳しくは書けませんが、
私もこの種の努力を怠らないようにしています。
しかし、既存の弁護士業務(特に訴訟案件)は、数も限られており、
弁護士が増えている中で、既存の営業活動のみを強化し、
限られたパイを奪い合うだけでは、
将来的には摩耗するだけの可能性が高いように思います。
2 専門分野の深掘
最近は、専門性を持つ弁護士は重宝される傾向が
ますます強まっていくので、
専門性を深掘する方向性を極めていくことは、確かに重要です。
例えば
離婚に強い~
労働法に強い~
企業法務に強い~
中国の法律に強い~
など。
弁護士の業務を法分野別に分け、その専門性を競う傾向にあります。
しかし、専門性を備えていさえすれば良い、
というわけにもいかないように思います。
そもそも何をもって専門的能力が高いか、というのかは、
非常に難しいことです。
せいぜい文献や経歴から判断することくらいしか
できないのではないかと思います。
インターネット等で案件の勝訴実績を誇るような場合にも、
端から見て、これは本当に勝訴か?と疑問に思うこともあります。
ものは言いようなところがあります。
専門性と時流がマッチするかしないかによっても変わってきます。
過払いなどはその典型だったように思います。
あるいは、破産法にいくら詳しくとも、
破産事件そのものが少なければ、仕事は先細ってきます。
時流とマッチしない専門性を持っていても、
誰かが面倒を見てくれるわけでもないところが
恐ろしいところです。
いずれ人工知能に取って代わられるのではないか、
という潜在的な脅威もあります。
3 新規事業への進出
人によって向き不向きがあることだと思いますが、
私自身は、それまでの職務経歴、近しい人間関係などをもとに、
時間を掛けていろいろ考えてきましたが、私自身にとっては、
顧客開拓、専門分野の研鑽をしながら、
新規事業への進出に主眼を置くことが、
一番しっくりくる方法です。
学者や実務家が分けた実務上のカテゴリーを、
弁護士も弁護士を使う側もそのまま用いていますが、
時代の変化は日を追うごとに早くなっています。
その種のカテゴリーを横断したノウハウが必要とされることは
間違いない状況になっています。
旧来のカテゴリーに拘り続けることは避けたいと考えています。
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