弁護士業務の新規開拓など(8)~ビジネス弁護士、経営弁護士としての会社の顧問弁護士
2016.02.24更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
人工知能などの活用が業務に織り込まれていく中で、
会社の顧問弁護士、企業法務の専門弁護士の領域も徐々に変わってくるように思います。
1 類似事案の検索に比重が置かれる業務
類似事案の検索に比重が置かれる業務は
徐々に人工知能にとって代わられ、衰退していくことは
避けられないのではないかと思います。
膨大なサンプル数を蓄積できる分野、たとえば、
比較的単純な契約書の起案、労働問題、会社法務などは、
遠い将来は、それだけでは危ないかな?という気がします。
類似事例が沢山あれば、フォーマットを構築する便益がコストを上回り、
先端技術として開発されるモチベーションも高いように思います。
2 部門横断的な問題意識をもった活動
先回って人工知能の盲点に対処するためには、結局のところ、
異分野とのコミュニケーションをいとわないで活動することが、
重要だと思っています。
一般民事の業務を行う場合と同様、人間が行う業務であるため、
コミュニケーションは重要であるはずです。
人事計画、予算計画等も含めた、
専門集団の総体としての法務活動に着目し、
これに対する見識を深め、実践することも、
重要な活動の1つです。
ビジネス、経営そのものに着目して活動を考えていくことも
1つの方法だと考えています。
ビジネスや経営は、どの分野から光を当てるかによって、
見え方が異なってくる、非常に複雑怪奇な現象であり、
人工知能に取って代わられるまでには相当時間がかかると思われます。
国際的にも人権が重視されてくる流れですので、
ビジネスを遂行するうえで、
人権分野に関する専門知識をブラッシュアップすると、
新しい知恵が生まれてくるかもしれません。
既存の専門家の領域のうち公認会計士の業務に着目し、
会計士の業務と弁護士の業務との協働作業を深め、
新たなノウハウを構築する試みが出始めていますので、
いろいろと勉強し、自分もこれを実践していきたいと思っています。
これまで弁護士と公認会計士のそれぞれの業務には、
監査論、不正発見の分野などを除き、
あまり接点がなかったように思いますが、
海外進出支援に関する多くの文献を監査法人が執筆されているなど、
協働すべき分野は沢山あると思います。
3 補足
私ごとですが、人工知能についてあまり考えているわけでもない時期に、
顧問弁護士のブログを書いていました。
顧問弁護士のブログでは、何度かに分けて、
顧問弁護士には非常勤社内弁護士としての存在意義があること、
今後は社内のコミュニケーションを取り、
個々の臨床法務を超えた法務戦略を構築する手助けをし、
法務予算の節減等にも寄与していくべきだ、ということを書きましたが、
人工知能のことを考えると、これまで自分が書いてきたことが、
何となく腑に落ちた感じがいたします。
これも、書いているうちにいろいろな考え方がまとまってくるという、
ブログの効能だと思っています。
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