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相続(3)遺言執行者と弁護士費用

2016.01.24更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

今回は、遺言執行者の業務と弁護士費用について書きます。

 

1 遺言執行者の業務


 

 

遺言執行者の任務は、

遺言事項を遺言者の意思に従って忠実に実現するというものであり、

その中でも、特定の相続人に相続財産を承継させることが

最も一般的な業務内容となります。

遺言の内容によっては、

遺言執行者の指定が必須となる場合もあります(相続人の廃除など)。

 

遺言にて指定された候補者が就任を承諾すれば

その候補者が遺言執行者となりますが、

指定がない場合や、指定された候補者が就任を拒絶した場合には、

家庭裁判所に対する遺言執行者選任申立を経て、

多くの場合、申立人が推薦した候補者が遺言執行者に就任します。

弁護士が遺言執行者に選任されるのは、

予め遺言にて指定を受けていた場合か、

家庭裁判所から選任される場合となります。

 

2 弁護士に関与させることが最も適切


 

 

時間と手間をかければ専門家でなくともできる任務です。

しかし、遺言執行者候補者が別の仕事に忙殺されている、

遠隔地にいる、体調が思わしくない、老齢である、

要介護者の面倒をみている、育児中である、というような事情により、

第三者に処理を委ねることが適切な場合があります。

加えて、遺言執行者は、例えば、相続税の税務申告などが必要であり、

税理士との連携をとる必要がある、

財産を受領しない相続人からの連絡にも対応しなければならず、

相続人の廃除申立などの家庭裁判所への立件を含め、

しばしば法律的な判断も必要である、などの事情もあるため、

弁護士に処理を委ねることが最も適切であるといえます。

 

3 弁護士費用


 

 

遺言にて遺言執行者を指定していただく場合には、

遺言に定めを置いていただくことをお願いしています。

経済的利益の額が300万円以下の場合は30万円(消費税別途)

300万円~3000万円以下の場合は2%+24万円(同)

3000万円~3億円以下の場合は1%+54万円(同)

3億円以上の場合は0.5%+204万円(同)

というのが旧弁護士会報酬基準の相場であり、

基本的にその相場にてお願いしています。

特に複雑な事情がある場合、裁判を経る必要がある場合などには、

協議させていただくことになります。

 

他方で、遺言にて遺言執行者の指定がなく、

家庭裁判所から選任された場合には、

報酬額は、家庭裁判所が決定した金額によることになります。

 

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