相続(5)遺言書検認と弁護士費用
2016.01.26更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
今回は、遺言書の検認について書きます。
1 遺言書検認が必要とされる場面
遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、
遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して、
検認を請求しなければなりませんが(民法1004条1項)、
この規定は公正証書遺言には適用されません。
公正証書遺言の全ての遺言について、
家庭裁判所による「検認」手続きを経る必要があります。
封がしてある遺言書は、家庭裁判所において
相続人(又はその代理人)の立会いをもって開封することになります。
家庭裁判所の外で遺言書を開封してしまうと、
偽造・変造などのおそれがあるので、
証拠保全の目的で行われる手続きです。
2 申立の方法
相続開始地の家庭裁判所に申立をします。
家庭裁判所は、遺言の方式、遺言書の状態などを検閲・認証して、
利害関係人の立ち会いのもと、検認調書を作成します。
家庭裁判所は、検認に立ち会わなかった利害関係人に対し、
検認をした旨を通知します。
遺言書が1通であれば比較的単純ですが、
複数通存在したり、
本当に遺言かどうか不明のものが存在する可能性が高い場合もあります。
開封できない以上、内容を検証できませんので、
遺言書と考えられるものがあれば、
全て検認の対象とするのが実務上の取り扱いだと思われます。
遺言の検認手続きを経ないで遺産分割等を行うと、
後で遺言書の存在が発見された場合には、
遺産分割後の相続財産の処分行為が無効とされるなどして、
当事者の権利関係が不安定になる可能性があります。
(特に、遺言執行者が指定されていた場合など)
3 弁護士費用
ご自身で行うこともできる手続きですが、
被相続人が亡くなられて間もないお忙しい時期に
家庭裁判所の手続きを経なければならないことは、
遺言書の保管者の方には重荷に感じられることがおありかと思います。
私が委任を受ける場合には私が遺言書をお預かりし、
責任を持って事務を遂行します。
弁護士費用は5万円(消費税別途)+実費にてお願いしております。
4 公正証書遺言のほうが紛争予防に優れていること
すでに自筆証書遺言が作成されている場合には、
検認手続きによるほかありませんが、
自筆証書遺言で検認を経ても、
遺言が有効か無効か、などの論点は解決しません。
せっかく遺言書を作成したのに、
方式等に関する疑義が生じてしまうことは、もったいないことです。
生前のご相談であれば、
公正証書遺言を活用されることをお勧めしております。
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