相続(1)相続放棄と弁護士費用
2016.01.22更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
今回は、相続放棄について書きます。
1 相続放棄を検討すべき場面
相続対策が問題になるケースは、
単純相続することがプラスの場合であって、
単純相続をしないほうがよい場合もあります。
積極財産よりも消極財産(負債)が多い場合です。
または、負債のほうが多いのではないか、という不安が残る場合です。
自分と日常的なつきあいのない、縁遠い方が亡くなり、
代襲相続などにより法定相続人となり、不安が残る場合などです。
2 相続放棄の期限
相続開始を知ったときから3ヶ月以内です。
相続人全員で行う必要はありません。
なお、相続開始を知った後3ヶ月を経過しても
相続放棄をすることができる場合があります。
民法の条文に反しているようにも思いますが、
私自身も直面したことがあります。
隠れ債務が見つかったときの救済なのかもしれません。
いずれにせよ、3ヶ月を経過したしないに関わりなく、
ご相談をお請けすることはできます。
3 注意すべき点
まず、相続財産を処分してはいけません。
しかし、実際に相続放棄申述をすると、必ずと言っていいほど、
非常に微妙なケースにぶち当たります。
財産的価値がないと思うが、遺品等を処分せざるを得ないとか。
債務は、多くの場合、遺された書類や、
銀行の通帳の履歴などを見て判断せざるを得ません。
注意すべきは連帯保証債務です。
とくに、会社の債務の連帯保証が隠れている、
というケースがあります。
単純相続した後で会社が破綻し、
会社の債務の連帯保証債務の履行を迫られたりするケースがあります。
そのような可能性を予測してご相談に乗るのが大事なことです。
4 費用
弁護士に委任する場合は、全ての手続きを弁護士が代理して行います。
概ね、放棄者お1人あたり着手金10万円(税別)、
調査費用(戸籍取得等)については、郵送料等を含め実費
といったところだと思います。
複数人いる場合は、着手金の減額も検討いたします。
5 どの専門家に頼むべきか
司法書士、行政書士の先生方が書類作成の代行等をされており、
一般に、弁護士費用より安い場合が多いと思いますが、
必要な事務処理は
戸籍の取得や家庭裁判所への申述書面だけに限られるものではなく、
積極財産の処理の方法や、債務の把握・予測、
その他のアドバイス(債権者対応)などにわたることがあります。
関連するアドバイスのご提供は上記の費用に含めて考えております。
一般的に、ある程度費用をお支払いいただいたほうが
お客様がアドバイスを求めやすいので、
弁護士に委任されるのが適切ではないかと考えています。
司法書士、行政書士の先生方の仕事を否定するつもりはありませんが、
関連するアドバイスなどが費用に込みになっているかには
注意されたほうが良いと思います。
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