不動産事件(12)不動産の供給過剰の傾向と不動産事件
2016.04.06更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
不動産の供給過剰の世相のもとで、
どのような不動産事件が増えるかについて、
考えを簡単に書いてみようと思います。
1 不動産の供給過剰とトラブル
都市部でタワーマンションやオフィスビルが次々と新築されていますが、
明らかに供給が過剰なように思います。
人口が減少しているのに住居が増えている状況です。
オフィス需要も、どの程度堅調に推移するか疑問です。
クラウドサービスの進展により、
パソコンを持ち歩けば仕事ができる時代です。
外国人や海外会社の需要を取り込む動きもありますが、
手放すモチベーションがどうしても高くなるように思いますし、
戻りの程度は限定的なように思います。
一時需要の取り込みも、
一歩間違えるとトラブルの原因になります。
例えば、民泊を活用する動きもありますが、
個人的には、慎重に考えたほうが良いように思います。
無断転貸、用法違反などのトラブルを招く可能性もあり、
裁判などで解決しなければならないトラブルも増えると思います。
2 管理の困難な不動産の後始末(賃貸借の解約、建替)
今後は、需要の減退を遠因とするトラブルが、
徐々に増えていくように思います。
賃貸不動産やマンション等は、
満室であることを前提として新築されたものが多いですが、
老朽化すると、次第に空き部屋が続出し、
管理が困難な状況に陥る物件が多くなります。
耐震設計上懸念のある不動産について、
建て替えを推し進めるべき状況も徐々に顕在化しています。
高齢化の進行もこの傾向に拍車を掛けるように思います。
行政が急ぎ対処する事例も多くなると予想していますが、
予算が限られている中で、行政のみに対処を委ねていると、
手遅れになることが多いと思われます。
不動産が管理困難な状態に陥る予兆がある場合、
管理の継続の方法と、手じまい(取り壊し)の計画の策定を、
民間人が関与し、ノウハウを積み重ねることが
求められているように思います。
例えば、最低限の管理を継続しながら、適切なタイミングで、
賃借人に退去していただけるよう予め戦略を練る。
賃貸マンション等に比べれば、後見案件、相続案件でも、
規模は小さいものが多いですが、同様の現象がみられます。
この領域で弁護士が活動していく余地が
大いにあると踏んでいます。
不動産事件に関するブログは、ひとまずこれにて終わりにします。
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