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企業法務/海外子会社管理(3)具体的な調査項目、調査内容の決定

2016.02.15更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

海外子会社管理の援助の業務について試論を書いていますが、

今回は、具体的な調査項目、調査内容の決定の方法について、

書いてみたいと思います。

 

1 ビジネスモデルとガバナンスの把握


 

 

どのような調査を行う場合でも、

ビジネスモデルの把握・

事業を取り巻く外部環境の把握・

ガバナンス体制(組織図など)の把握は、

調査の大前提となります。

 

社外取締役や社外監査役に就任された方であれば別ですが、

既存の弁護士業務を行ってきた弁護士にとって、

組織図を批判的に検証することは、あまりなかったことと思います。

私自身もその例外ではありませんが、

主として、

コミュニケーションと業務の円滑を阻害する事象があるのか否か、

何か問題点があるのであれば、意見を具申できるように、

準備を怠らないようにしています。

 

そのなかで、リスク(不確定事象)の有無、内容、程度を

自分なりに確認します。

そして、調査の各論に入り、調査項目、調査内容を決めていきます。

当然のことながら、日本にいる間に入手できる情報は

極力入手して分析することになります。

最近はインターネットが発達しており、

相当詳細な各種統計資料なども

ダウンロードすることができますので(ただし英語)、

これを参照します。

 

2 弁護士の担当分野とその他の担当分野


 

 

弁護士は、

ガバナンスの確認、

コンプライアンス・現地法令の確認、

重要な契約書の確認、

業務フローの確認、

内部統制など

について検討することが主です。

この部分については弁護士が自分のノウハウとして

蓄積していかなければならないところです。

 

チームを組んで調査を行う場合、

そのほかに具体的に何をするのか、ということが問題になります。

他者のノウハウに絡むことであるため、

詳細については、勝手には書きづらい事情がありますが、

大雑把にいえば、

会社は売上を向上させ、費用を減少させることで利益を得るのですから、

売上向上策と合理的な経費節減の具体的方策の検討は必須であり、

マーケティングと財務の両観点からの分析が

必要になることは自ずと明らかなことです。

 

自分の担当分野ではない部分の具体的な調査内容の決定等については、

自分よりもその分野に強い人にお任せするとしても、

問題意識をもち、

討議に参加できる程度の勉強をしておかなければなりません。

 

3 調査項目と調査内容の決定


 

 

調査の大項目を決めた後は、

中項目・小項目の何を重点的に調査していくかを決めます。

日本で入手できる資料、

具体的には、公開されている資料と当該会社の資料を付き合わせながら、

検討を進めます。

1例を挙げると、多くの場合、労働法に関わる分野については

重点的に調査を行うことが多いと思われます。

 

日本の親会社が多くの子会社を有している場合などには、

各国で使えるマニュアルを構築することも1つの目標となります。

最初の調査を通じて、モニタリング体制構築の足がかりとします。

 

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