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企業法務/海外子会社管理(8)現地調査

2016.03.04更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

海外子会社管理の現地調査について試論を書いてみたいと思います。

 

1 現地調査の意義


 

 

現地調査の意義は、

日本の親会社(のトップ)と海外子会社をつなぐことにあります。

通常、現場の情報は

企業グループで定められた正規の報告系統を通じて上がってきますが、

伝達過程が複数になるほど、伝言ゲームのようになり、

正規の情報が上がらなくなります。

このことは、海外子会社に限った問題ではありませんが、

地理的に離隔している海外の子会社の場合には、

問題はより深刻になります。

 

日本の本社側の人間が定期的に視察に訪れることは、それ自体が、

隠し事をしない緊張感をもたらすことにつながります。

 

2 契約締結フローなどの確認


 

 

法務の分野でいえば、例えば、

その海外子会社にとって

存立基盤というに等しい契約(例えば合弁契約、本社の賃貸借契約)

などは、契約書の最終チェックを促すメールとともに送信されたりします。

このような場合は、最終の文案を本社が確認をすることができます。

 

他方で、担当者が行う契約交渉過程などを逐一知らせることは、

それ自体面倒なので、あまり一般的ではないように思います。

しかし、日本の親会社は、海外子会社が構築する取引網を利用して、

自らの取引網を拡大することを企図して海外進出をしているので、

海外子会社が構築する取引網が

万全のものであるかを確認する必要は非常に大きいものです。

例えば、関係者への根回し等の不足により、

実現可能性が100%とは言えない契約を

締結しているような場合もあるかもしれません。

日本の本社がその契約の履行を前提として国際契約を締結してしまうと、

日本の本社側も実現可能性のリスクに巻き込まれることとなります。

 

この種の確認は、日本の親会社が積極的に聞いていかない限り、

情報を取得すること自体がそもそも容易ではなく、

その真実性の判断は、

現地調査を行わない限り難しいように思います。

 

中小企業が海外進出する多くの場合、

その海外子会社の規模も大きなものではありません。

小さな規模の海外子会社などにおいては、

業務手順を確立する十分なリソースがなく、

契約交渉も

個々人の(悪く言えば我流の)ノウハウによるところが大きく、

ばらつきがありますので、

実地で確認することの重要性は大きくなります。

 

3 現地で湧くイメージ、アイデアの重要性


 

 

国内の既存の弁護士業務でも同じことですが、

現地を確認することは非常に重要です。

現場に行かないと思いつかないこと、

イメージが沸かないことは、山のようにあります。

デスクと現場が離れていると、よほど注意していないと、

知らず知らずのうちに、現場感覚から離れてしまいます。

日本でどのように綿密に検証しても、現場調査は絶対に必要になります。

その必要性は、日本の親会社が規模の小さい企業であるほど、

大きくなるのではないかと思っています。

そのようなニーズに応えていくことが求められていると思っています。

 

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