企業法務/海外子会社管理(9)モニタリング体制の構築
2016.03.07更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
海外子会社管理のモニタリング体制の構築について書きます。
1 海外子会社管理の1サイクル
これまで記載してきたことは、調査の計画を立て、
分野ごとに具体的な調査の項目を決定し、
日本側で調べられることは調べ、
最後は現地調査を行う、という流れでした。
現地調査などを経た後には、
海外子会社の内部統制の整備状況、運用状況にまで、
一通りの観察をすることになります。
こうして発見した事情を日本の親会社の経営陣に報告します。
海外子会社の経営陣に対しても同様です。
改善すべき点があればその旨を簡潔に記載し、改善を促します。
2 モニタリング体制の構築
しかし、このサイクルをいちど回すだけではあまり意味がありません。
改善策を発案した後は、その実行を促し、実行されたかどうかを確認し、
フォローアップができたかどうかを確認し、報告しなければなりません。
さらに、新しい課題を見つけ出したり、
経営環境が変わったりした場合には、
一連のサイクルを最初からやり直します。
何度か回しているうちにノウハウが構築され、
他の子会社(国内外を問わない)にも
応用が可能になっていくように思います。
3 従業員がモニタリングを担当することに意味がある
経営環境はめまぐるしく変化しますので、課題は無限にあります。
まるでモグラたたきのようなものですが、
いちいち外部専門家に頼らないとサイクルを回せない、というのでは、
会社にとってコスト倒れであり、疲弊感が漂ってしまいます。
私たち専門家は、従業員の方々と一緒に悪戦苦闘し、
海外子会社の調査のサイクルを何回か回すことによって、
従業員の方々にノウハウを構築していただき、
いずれはその業務から離れるか、困ったときに助言する、
というスタンスに切り替えていくのが適切だと考えています。
このような考え方を貫くことが、
この分野の裾野を広げることにつながると思っています。
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野澤吉太郎法律事務所
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