野澤吉太郎法律事務所 弁護士 野澤吉太郎

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相続と弁護士(3)「最初から最後まで」を書く理由

2017.02.24更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

相続と弁護士、のテーマを長々と書いていく理由について、

この機会に書きます。

 

1 最も大事な時期は相続開始直後であること


 

 

多くの場合は、対策が不十分なまま相続が開始します。

死亡届を役所に出さないと火葬してもらえない、

その後お葬式を手配する、

現地を訪れる、年金の手続きをする、

銀行の手続きをする、など、

悲しみに暮れる間もなく、

たくさんの事務処理を進めなければなりません。

 

当初の時期に誰かが預金を引き出したり、

何かを持ち去ってしまうから「遺産争続」になる、

あるいは、債務を見落としてしまう、

ということによって、

トラブルが深刻になることが非常に多いものです。

 

トラブルになった後に、遺産分割協議に関与する、

あるいはトラブルを避けるために遺言を予め書いておく、

という形で、専門家が関与することは多いです。

遺言もないような場合に、トラブルを避けようとするのであれば、

相続開始直後にきちんと資産、負債の調査を行うことが大事です。

その領域には専門家はあまり関わっていません。

 

破産管財事件などに関与していると、

初動が大事だ、ということを、何度も何度も言われます。

相続も全く同じです。

破産と異なり、被相続人は亡くなっていますので、

早期の保全は破産の場合よりはるかに重要です。

 

しかし、そういうことを言っている専門家、

あるいは関わっている専門家をあまり聞いたことがありません。

 

やはり、四十九日、という事実上の慣習がネックになっています。

財産を分ける話はしない、というのは、

宗教上の見地からは尤もなものとして腑に落ちます。

しかし、事実を把握することは非常に大切なことです。

全相続人のために資産を保全してしまえば、

分け方の話は後でも良いのです。

 

2 専門家は断片的。


 

身の回りの人の相続について、

ほぼ最初から最後まで自分(私自身)でやってみました。

相続に関する専門家の関わり方について、

専門家の側と相続人の側で認識が恐ろしく異なることに気がつきました。

 

相続人からすると、たくさんの専門家を、

スポット的に紹介されるのは、

はっきり言って説明が面倒で、本当に困ります。

よほど上手な司令塔がいないと、はっきり言って邪魔くそになります。

野球の野手のお見合みたいな理由で、

フライを見落とすことも多いのではないか、という懸念も感じました。

 

相続が開始した後に、いったい何をすれば良いのか、

統一したメソッドを確立するようアドバイスする人があまりいないように思います。

周りを見回すと、遺産分割のトラブルよりも、

事務処理がひたすら面倒な事例のほうがはるかに多いように思います。

多くの人は、進め方が分からないから困っているのです。

 

全部を伝えきることはできないと思いますが、

最初から最後まで経験した一例を書くことによって、

全体像の把握に少しでも役立つようにと思い、

引き続き書き続けることとします。

 

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投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

相続と弁護士(2)~相続人に同伴して弁護士が故人の住居を訪れる

2017.02.23更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

故人が亡くなられた後、相続の最初から最後まで弁護士が関わる場合に、

何を最初に行うか、具体例を書きます。

 

1 現場~故人の住居~を訪れる


 

まずは、調査が必要です。

何事も、最初に現場を訪れることが肝要です。

現場に残された証拠を把握することです。

相続の場合の現場とは、故人の住居です。

相続人の了承を得て、同伴することは当然です。

中にあるもの、特に資産関係には、

手をつけてはなりません。(当たり前です)。

相互監視の仕組みをつくることが重要です。

 

何を注意して見なければならないかが問題です。

一言で言えば資産と負債を把握することです。

もっとも重要なのは、負債の調査です。

預金通帳と郵便物を中心に見ていくことになります。

 

相続の相談を受けるとき、

資産の分け方についてお話される方がほとんどです。

必ず返答するようにしていることは以下のとおりです。

そうではなくて、まずは負債ですよ、

こういう債務があるとあとで面倒な目にあいます、

特に連帯保証債務はありませんか、

負債の存在をうかがわせる書類はありませんか、

ということを言います。

 

2 負債の調査~通帳履歴と郵便物の調査


負債の調査が必要だ、というアドバイスをした後に、

必ず以下のような質問を受けます。

負債は、どのように調査をすれば良いのですか?

 

難しい質問ですが、

通帳の履歴と郵便物を集めて、地道に見ていくほかない。」

と回答することになります。

 

どの程度調査すべきかは事案により異なります。 

独居の方の場合には、そうでない場合に比べ、

慎重に調査する必要があります。

 

郵便物が整理できていないまま亡くなられる方もいます。

郵便物を見るには現場に行くしか方法はありません。

この場合、書類の整理から始める必要があります。

郵便物などを信販会社ごとに分別し、

銀行預金通帳と照らし合わせて、

この債務は支払われた、支払われていない、

ということを確認していきます。

恐ろしく地道な作業になります。 

 

3 資産負債の調査は弁護士が適任であること


 

資産負債の調査については、弁護士は経験的な知見をもっています。

特に、破産関係の業務の経験が非常に生きてきます。

 

私も裁判所から破産管財人に任命されることがありますが、

就任後、破産者からの郵便物が転送されてきます。

郵便物の転送を受けている段階で、

新しい債務を発見したりすることがあるからです。

弁護士は探偵ではありませんから、全てが分かるわけではありませんが、

書類を読み込んでいくと、資産負債の「におい」を感じます。

「におう」点を重点的に調査することになります。

弁護士は、一般的に、資産負債調査の場数を踏んでいるといえます。

 

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投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

相続と弁護士(1)~始めから終わりまで司令塔となる

2017.02.21更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

しばらくの間、ブログを書くのを止めていましたが、

久しぶりに再開し、相続について書いていきたいと思います。

 

1 相続に対する弁護士の一般的な関わり方


これまで、弁護士が相続に関与する場合、

「遺言の作成」

「相続放棄、限定承認」

「遺言執行者」

「遺産分割」 

などと、

相続の全体像の一つ一つの場面を取りあげて、

弁護士が受任する場合が多かったと思います。

 

特に遺産分割に重きが置かれていたのではないかと思います。

少し前ですが、「遺産争続」というドラマがありました。

お客様の側にも、弁護士の側にも、

弁護士イコールトラブル、相続でいえば遺産分割、

の考え方が浸透していると思います。

確かに遺産分割の争いが大きい場合は、

当事者も弁護士も相応の労力を遣います。

その前後の出来事(遺産の調査、換金、登記、税務申告など)には、

関与しないか、別の専門家に任せる場合も多かったと思います。

 

2 司令塔の存在の必要~最初から最後まで相続に関与すること


 

しかし、相続の全体像を場面場面で切り分けて捉えていく考え方は、

相続人であるお客様のニーズを捉えていません。

専門家でチームを組んで対処する事例もあると思いますが、

大がかりな事例でない限り、専門家が複数介在することは、

費用が高くなり、専門家に依頼することに躊躇が生まれます。

相続人、専門家の情報が断片的になりがちです。

その躊躇の間に間違いが起こることも少なくありません。

不適切な結果をもたらすことも多いのではないかと思います。

 

最近、必要があり、相続の処理のほぼ最初から最後まで関与する機会がありました。

最初の時期の書類の確認から始め、換価を行い、

相続税申告書の原稿まで検討しました。

その中では、遺産分割協議書の作成などは取るに足らない事務処理でした。

争いのない事例であっても、その事務処理の量は非常に膨大なものです。

非常に労力を遣うということを身をもって知りました。

事務処理については誰に相談すれば良いのか?

事務遂行は弁護士に相談するべきものなのか?

一般の方々は本当に戸惑うと思います。

 

争いごとはないものの、

事務処理を円滑に進めることが大変な事例が、

圧倒的に多いのではないかと考えています。

 

「事務処理は明らかに必要だけれども、紛争はない。

だから誰に相談して良いのか分からなかった。」

という話を聞くことがあります。

争いのない事例であっても、全体の司令塔がいるほうが、

相続人はずいぶん楽になります。

 

司令塔が弁護士でなければならないわけではありません。

しかし、これから何回かに分けて理由を書こうと思いますが、

司令塔は弁護士とするのがベストであると考えます。

 

3 弁護士が紛争を解決する専門家であることは当然、

前提として、事務処理を行う専門家であるべき


 

 

弁護士は紛争を解決する専門家ですが、

それ以前に、事務処理を進める専門家です。

紛争があればそれを解決することは当然ですが、

お客様のご要望があれば、

紛争の有無にとらわれず、

最初から最後まで事務処理を執り行う姿勢で臨むべきものと思います。

 

これから具体例を書いていきたいと思います。

 

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