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企業法務/会社法務(20)子会社管理

2016.01.21更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

前回、会社のコーポレートポリシーについて書きましたので、

その流れで子会社管理について書きます。

 

1 子会社管理におけるポリシーの重要性


 

 

親会社のポリシーの策定は、子

会社の管理をする際にも有用なツールになる、

もっと言うと、子会社の管理においてこそ、

ツールとしての重要性は増すはずです。

 

親会社と子会社の意思疎通をするために、定期的な打ち合わせを入れる、

子会社の代表者を親会社が手配する、などの実務上の工夫がなされます。

しかし、定期的な人事異動などを契機として

親会社の経営方針が唐突に変更になる場合もあります。

親会社の経営方針が特に意味もなく変更されると、

子会社が振り回されることになります。

 

親会社と子会社の利益が相反する場合も出てきます。

親会社が支配株主権を濫用し、

子会社の犠牲において親会社が利益を計上するような事例もあります。

現在のところ、日本の会社法上の歯止めはあまり期待できない状況です。

子会社の経営者、従業員がどれほど創意工夫していても、

親会社に振り回されて無に帰するようであれば、

モチベーションの減退のきっかけになります。

 

ルールの策定のノウハウを積み上げることが

早急に必要とされているように思います。

中期経営計画などを策定すれば足りるかというのは非常に疑問です。

親会社であれ子会社であれ、

会社に数十年勤務したいと考える従業員が多いわけですから、

5年とか10年というスパンの計画では短いのではないかと思われます。

 

2 海外子会社管理


 

 

海外子会社管理においては

ポリシーの重要性はなおさら増すように思います。

言葉の問題もさることながら、

社会情勢、文化、規範意識から、何もかも違います。

海外の子会社の従業員にとっては、

日本の親会社の経営方針は、非常に遠く感じられるところです。

トップが明確なメッセージと規律を伝える必要があります。

少しでも油断すれば、親会社が何を考えているのか分からなくなる、

というのが実情だと思います。

 

3 最低限を画するルールである必要がある


 

 

ただし、微に入り細に入り厳格なルールを策定することは、

労力もかかりますし、子会社の創意工夫を失わせることにも繋がります。

子会社の関係者から直接ヒヤリングをするなどして、

最低限のものとしてルールを定め、

そこに記載されていない問題については、

原則として創意工夫に委ねることが必要です。

これは会社の規模の大小を問わず必要なことであり、

会社の規模の大小により労力の掛け方の違いはあるにせよ、

必要とされるノウハウは共通であると考えています。

非常に骨の折れる仕事だと思いますが、

私自身も、そのノウハウを蓄積していきたいと考えています。

 

会社法務についてはこれにて小休止し、別のテーマでブログを書いていこうと思います。

 

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