企業法務/会社法務(7)コンプライアンス体制、社内規程の整備
2016.01.08更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
今回は、大雑把な内容ですが、
コンプライアンス体制の整備の段取りについて、概要を書きます。
本当に荒っぽい概要ですが。
1 業法の遵守、一般法令の遵守、行政罰、刑事罰の回避
これを最初のテーマに据えるべきです。
いまどき、絶対に守らなければならないところです。
一般法令の遵守、行政罰、刑事罰の回避については、
後述する社内規程の整備により対応します。
わりと難しいのは各種業法の遵守です。
往々にして、各拠点の現場対応に任せている可能性があります。
許認可等が必要とされる事業の場合には注意が必要です。
許認可証などの原本がどこに所在しているか、
更新手続きを怠っていないか、
失効している許認可はないか、などの点検が必要です。
わりと怠りがちなのは役所に対する報告義務だと思います。
役所のほうもそれほど厳正に報告内容を
管理しきれていないこともあるのかもしれませんが、
平常時においては届出を怠っても催促されないので、
つい報告を怠る、ということはあると思います。
いざ問題が生じたときに、
報告の不備等にかこつけて役所から突き放されるおそれがあります。
適切な文献などが不足しているのが痛いところです。
一部の例外を除き、多くの業法については、
役所寄りの見解を述べた文献しかない場合もあります。
それすら存在しない場合もあります。
この分野は弁護士をはじめとする法律家が活動する場面だと思います。
業法解釈についてご相談がありましたら、対応いたします。
2 社内規程の整備
多くの会社では、
・人事労務関係規程(就業規則、賃金・給与規程等)
・安全衛生管理規程
などについては、比較的そろっていますが、
・会社の経営事項に関する規程(取締役会規程、規程管理規定など)
・組織権限規程(組織図、業務分掌規程、職務権限規程、稟議規程など)
・経理規程、与信管理規程
・内部監査規程
・文書取扱規程、印章取扱規程
などについては、
特に中小企業などにおいて、十分にそろっていない場合が多いところです。
重要なものから順番に策定していくことが必要です。
ひな形等は出回っていますが、
会社の実情に合わせたものにする必要があります。
3 業務分掌規程
経験上、業務分掌規程の策定には、
思わぬ副次効果があるように思いました。
各部署の業務の内容を洗い出し、点検していただく必要がありますが、
この段階で各部署が業務内容を再認識し、自覚を高める効果があります。
各部署の従業員(特に若い人)が、
「自分は何をすればよいのだろう?」
と一から考えることは、非常に苦しい部分があります。
ある程度定義付けをしてあげることで、
安心させるということも重要です。
各部署の業務が密接に関連したり、重層的に絡み合う場合には、
経営企画を担当する部署が、
部署に対する業務の割り振りをすることになります。
会社の全部署の話を聞いてみると、
各部署の抱える問題点を理解することができますし、
前向きな経営企画を策定するヒントを得ることもできます。
野球にたとえると、野手のお見合いでエラーをする、
という事態を防ぐ、というコンセプトです。
実情に合ったものを創ろうとするときには、
ひな形を参照すればできると甘く考えることはできません。
会社によると思いますが、ときには、本当に難しい作業となります。
しかし、非常に地味で地道であるものの、
最後までやり遂げることは、非常に大事な経験となります。
長くなってきたので、機会のあるときに内容を深掘りしたいと思います。
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