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企業法務/会社法務(19)会社のコーポレートポリシー

2016.01.20更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

今回は会社の会社のコーポレートポリシーの重要性について

少し書いてみたいと思います。

実務的に関わり始めている分野ですが、

詳細を書きづらい事情があり、書くのに少し難儀しています。

ぼかし気味に書いてある箇所もありますので、

関心を持たれた方は直接お問い合わせください。

 

1 コーポレートポリシー


 

 

コーポレートポリシーとは、企業の根本的な立ち位置を示すもので、

会社の意思決定の筋道、意思決定に至る行動を示すものです。

企業の目標を具体的な内容として規定し、

組織の方向性を基礎付ける、という意味があります。

欧米の企業やグローバル企業では

大きな労力をかけてこれを規定するようです。

毎年とか、中長期的な目標というレベルの目標にとどまらず、

会社が永続するための仕組みとして策定されるようです。

この策定は、経営戦略の策定の前提になるとの位置づけのようです。

 

2 業務指針


 

 

欧米企業では、ポリシーを実現するために、

実際の業務で各役員、各部署、各従業員が何を行うべきか、

その指針を定めるため、業務指針、指示書などを策定するようです、

各組織人が最低限遵守すべきルールとして業務指針を策定すれば、

その規定の範囲外のことについては、

自由な創意工夫を凝らして業務遂行をすることが許容されることになります。

 

3 日本の実情


 

 

日本にも、非常に立派な創業者の遺訓や

考え方が生きている例もあると思いますが、

多くの場合には、年次計画、中長期経営計画などの

レベルにとどまっているのではないかと感じます。

会社の根本規範というレベルまで深掘りして、

具体的にポリシーが考えられている例は非常に少ないように思います。

中長期経営計画等は、株主や債権者に対して説得的な見せ方をする、

という機能を有しますが、

中長期といわず、数十年、あるいは百年単位のポリシーがあっても

よいのではないかと思います。

組織人の行動規範を具体的に、

正しく規定することは、組織人のパフォーマンスを上げていきます。

株主、投資との利害関係の調整という側面を超えて、

国の繁栄のために必要ではないかと思います。

 

きちんとした根本規範を持っている会社では、

たとえ経営トップであっても、これを守る、という文化が醸成されますので、

節操のない人たちの意見だけが通るような、

過剰な人治主義などは力をなくしていくと思いますが、

日本では、そのような観点から議論がなされていないように思います。

 

昨年制定されたコーポレートガバナンス・コードなどを読むと、

ステークホルダーへの価値創造に配慮した経営を行い、

中長期的な企業価値向上を図る旨などが

記載されていますが(原則2-1)、

そこでいうステークホルダーとは、

主として株主や投資家のことのように見えます。

もともと東京証券取引所が策定したものであるから、

株主等への情報開示に重きが置かれることは、

当然と言えば当然ですが、

組織内関係者に対する行動指針を明示し、

組織内関係者の創意工夫を正しく発揮させながら、

根本規範を構築するという観点は

もっと強調されてしかるべきだと思います。

 

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