野澤吉太郎法律事務所 弁護士 野澤吉太郎

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倒産処理(5)任意整理(個人(消費者)の場合)

2016.01.31更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

今回は個人(消費者)の任意整理について書きます。

 

1 債権調査と弁済計画の立案


 

 

各債権者に対して一斉に受任通知を出します。

弁護士が受任通知を出した後には、お客様である債務者に対して債権者が直接接触し、取立て等をすることはできなくなります。

また、債務者は一般債権者に対して

弁済等を行うことができないのが原則です。

支払が止まっている間に弁済計画を立案し、

各債権者に弁済計画案を提示します。

通常、支払の停止を長期間続けることは好ましくありませんので、

ご依頼者と相談のうえ、早期に弁済計画案を立案します。

 

以上が通常の対応ですが、いくつか変則的なパターンがあります。

例えば、ヤミ金融への対応が必要な場合は、弁済計画案など提示しません。債務者への接触を直ちにやめさせることが最優先です。

また、最近は少なくなりましたが、

過払い金が存在する場合には、その回収も行います。

 

2 弁済案の内容


 

 

一切返済する必要がない相手(ヤミ金融)などを除き、元本の分割弁済をベースに提案します。

返済期間は3年程度であればほぼ問題なく、交

渉により5年程度にまで伸ばせる、という実感です。

元本の支払の減額、免除をしてもらうことは

任意整理の場合には容易ではありませんので、

元本の減免を希望される方については民事再生、

自己破産をお勧めすることになります。

 

3 所感


 

 

私が弁護士になりたてのころは、不良債権処理の時代であり、

3年程度の返済期間であっても和解案を受諾しない債権者もいました。

訴訟を提起されたり、強制執行申立をされたりして、

破産に移行せざるを得ないケースも多かった記憶です。

 

しかし、最近は不良債権処理の要請がそれほど強くなく、

債権者にとっても回収額を重視することが趨勢だと思います。

あまり難しく考えることなく、

お困りの方はご連絡いただければと思います。

 

4 弁護士費用


 

 

事案により異なりますが、

1債権者あたり2万円~3万円(消費税別)でお願いしております。

 

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倒産処理(4)免責不許可意見

2016.01.30更新

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今回は破産手続きに伴う免責不許可意見について書きます。

 

1 債権者が出す免責不許可意見


 

 

債権者は、破産者の免責を認めることが不当と考える場合には、

免責不許可意見を出すことができます。

もちろん、ただ怪しから、というだけでは採り上げられませんので、

破産法所定の免責不許可事由に該当することを

具体的に指摘して主張することになります。

破産者側と債権者側で主張立証を繰り返し、

場合によっては数ヶ月程度を要して許否が判断されます。

 

2 帰趨


 

 

裁判所が免責不許可決定を出すことは滅多にありません。

統計上も、免責不許可決定が出る件は極めて限られています。

 

しかし、債権者の代理人としては、

債権者の心情等に配慮して最善を尽くすことが重要です。

主張立証を積み重ねた結果、

最後に免責不許可決定を得たこともあります。

 

副次的に、別の紛争が解決する場合もあります。

建物明渡訴訟係属中に自己破産申立をした破産者に対して,

免責不許可意見を出したところ、裁判所が後見的に介入してくれて、

破産者が明渡義務を認める念書にサインすれば、破産者の免責を認める、

という処理をしてくれたことがあります。

ともかく、何事もあきらめないことが肝心です。

 

3 弁護士費用等


 

 

事案によりますが、

10万円以上(消費税別途)~というところだと思います。

多くの場合、免責不許可意見を出す債権者への配当は

期待できないことが多いですし、

免責不許可決定が出されることも非常にまれである、

ということを予めご了解いただきたいところですが、

このご了解をいただければ、最善を尽くしてまいります。

 

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倒産処理(3)債権者破産申立(債権者側)

2016.01.29更新

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次に債権者破産申立について書きます。

 

1 債権者破産申立


 

 

自己破産申立の場合は、債務者が自らの意思で破産申立をします。

これに対し、債務者が資産を隠匿している可能性があるなど、

その誠実性に疑問を抱かせるような場合には、

債権者が当該債務者について破産申立をする場合があります。

 

ここまでするに至る過程で、

債権者と債務者の関係は相当にこじれています。

社会の耳目を集めた消費者被害をもたらした法人などで

用いられることがありますが、

一般の弁護士が扱うことはそれほど多くない類型です。

私は何件か関与したことがあります。

 

裁判所は、債権者、債務者を呼び出し、審理を行います。

多くの場合、債権者は巨額の債権を有している場合が多いですが、

債権者が債務者の財務状況を正しく説明することは

それほど容易ではありません。

そのため、裁判所は非常に慎重に事件を審理しているように感じます。

債務者が破産を望まない場合には、破産手続開始決定まで数ヶ月、

ときには1年程度を要することもザラです。

事実上、申立外での和解により処理されるケースも多いです。

 

2 開始決定後の手続き


 

 

債権者破産申立によって開始決定が得られた後、

破産管財人が選任されますが、

その経緯からして債権者対応を念入りに行う必要があります。

また、法人と個人の両方が破産し、

事実上同一の機会に手続きが進行するほとんどの場合に、

その個人について免責不許可意見が出されることになりますので、

その対応も必要です。

相応のレベルの破産管財人が選任され、

時間を掛けて手続きを進行させることになります。

 

3 開始決定後の債権者代理人の関与


 

 

債権の回収の必要性、免責不許可事由に関する判断などは、

破産管財人、破産裁判所の判断によります。

債権者は情報を提供し、意見を出すことはできますが、

コントロールすることまではできません。

債権者代理人が成果を上げることは簡単ではありませんが、

最善を尽くすよう努力します。

 

4 費用等


 

 

弁護士費用等は、事案の軽重によりますが、

集会等の開催回数も多いので、100万円以上(消費税別途)+実費、にてお願いしています。

 

このほか、破産管財人報酬等に充てるための予納金を

債権者が納付する必要がありますが、

その金額は裁判所が決定することになります。

破産財団が円滑に回収された場合には、

当該予納金は当該債権者の元に戻されます。

 

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倒産処理(2)自己破産申立て(法人の場合)と弁護士費用

2016.01.28更新

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次は法人破産について書きます。

 

1 個人破産との違い


 

 

個人破産と法人破産の最大の違いは、当たり前の話ですが、

個人破産の場合、手続き終了後も依頼者は生きていかなければならない。

法人破産の場合、手続きの終了をもって依頼者は消滅する。

ということです。

法人破産は、その法人の法人格を消滅させる行為です。

法人が実在した痕跡を消滅させる、というと分かりやすいと思いますが、

破産手続きにまで至った以上、

混乱なくその法人を破産手続きの土俵に乗せ、

事案を破産管財人に引き継ぐことが仕事になります。

個人破産であれば、

破産手続きを経ても所持できるような物品であっても、

法人破産であれば何らかの方法で処分しなければなりません。

 

2 債権者への対応など


 

 

すでに休眠状態になった場合などは別としても、

稼働していた法人を破産させる場合には、

取引債権者への十分な対応が必要な場合があります。

感情がうずまいており、収まりがつかない債権者もいらっしゃいます。

取り付け騒ぎ等を防ぐために、

主要な財産、帳簿等を確保し、営業終了を告知します。

未払賃金がある場合などには、

労働債権者に対する対応も必要になります。

実務が混乱した状態の中で、

関係者の権利関係を精査していく作業となります。

 

場合によっては、破産手続とは別に

債権者に対する説明会等を開催することが適切な場合もあります。

 

3 弁護士費用など


 

 

法人の規模により異なります。

ほとんど

個人破産と同視できるような法人(従業員がいないなど)の場合は、

個人破産に準じた金額でお願いすることもありますが、

そうでない場合には、50万円(消費税別途)以上を基本とし、

法人の規模、財団の規模により、

個別にご相談させていただいております。

大規模な法人であり処理が複雑な場合には

100万円~200万円程度をお願いすることもあります。

 

ほぼ必ず破産管財人が選任されますので、

破産管財人費用が必要になります。

法人に残された財産から支出できる場合には

あまり問題になりませんが。

法人に残された財産がない場合には、

代表者の個人資産などから工面していただくこともあります。

 

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倒産処理(1)自己破産申立て(個人の場合)と弁護士費用

2016.01.27更新

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今回からテーマを倒産処理に切り替えて、何回か書きたいと思います。

まずは個人の自己破産申立について書きます。

 

1 自己破産申立


 

 

自己破産申立は、

大規模な法律事務所などで盛んに広告が出されている分野です。

弁護士以外に優秀なスタッフがいる事務所もあると思います。

確かに、マニュアル化できる要素も多いと思います。

しかし、個別の事案を見ていくと、

法律判断が必要な箇所が多々あります。

また、破産手続きの運用は、地方裁判所によって大幅に異なっています。

裁判所によってこれほど各種各様な手続きも珍しいところです。

 

これらの事情を踏まえ、結局は個別具体的に観察しなければなりません。

破産管財人として自己破産申立を観察することもありますが、

大規模事務所なので依頼者にとって優れた処理をしている、

という因果関係はないように感じます。

 

破産管財人を選任する破産管財手続が原則的な手続きです。

裁判所が選任する破産管財人が財産を換価し、破産財団を増殖させて、

破産管財人報酬等の手続き費用のほかに残余の財団があれば、

債権者への配当を行います。

破産管財人は、破産者の債務を免責して良いかどうかの調査も行います。

配当はおろか、手続費用も確保できないなど、

破産管財人を選任する意味に乏しい場合には、

同時廃止手続が選択されます。

この場合、破産管財人は選任されず、裁判所が免責調査を行います。

申立代理人側としては、同時廃止手続で済むのであれば、

そのまま済ませたい場合が多いので、

同時廃止手続で済ませられる心証を裁判所に得させるため、

様々な実務上の工夫を凝らしながら、準備を進めます。

 

2 弁護士費用


 

 

申立報酬と免責報酬に分けられます。

事案によりますが、申立着手金、免責着手金は、

20万円~30万円(消費税別途)にてお願いしております。

債権回収、財産処分等が絡む場合には、

上記とは別途ご相談させていただくことになります。

 

このほかに、実費がかかります。

申立代理人が要する実費は、

管轄裁判所、採用される手続きによって若干異なります。

収入印紙、予納郵券、官報公告費用、その他の実費で

概ね2万円~2万5000円程度となります。

 

3 その他の費用

 

破産管財人が選任される場合には、

破産管財人報酬を含めた手続き費用を予納する必要があります。

東京地裁では、最低20万円の予納金が必要です。

場合によって破産財団への財産の引き継ぎをする必要があるため、

予納金額が非常に大きくなる場合もあります。

 

費用が低廉であることを強調するためなのかどうか、

はっきりとは分かりませんが、

破産管財事件として取り扱われる件の

必要費用の説明の甘い弁護士が多々いるように思いますので、

この点はお気を付けいただくべきことと思います。

 

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相続(5)遺言書検認と弁護士費用

2016.01.26更新

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今回は、遺言書の検認について書きます。

 

1 遺言書検認が必要とされる場面


 

 

遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、

遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して、

検認を請求しなければなりませんが(民法1004条1項)、

この規定は公正証書遺言には適用されません。

公正証書遺言の全ての遺言について、

家庭裁判所による「検認」手続きを経る必要があります。

封がしてある遺言書は、家庭裁判所において

相続人(又はその代理人)の立会いをもって開封することになります。

 

家庭裁判所の外で遺言書を開封してしまうと、

偽造・変造などのおそれがあるので、

証拠保全の目的で行われる手続きです。

 

2 申立の方法


 

 

相続開始地の家庭裁判所に申立をします。

家庭裁判所は、遺言の方式、遺言書の状態などを検閲・認証して、

利害関係人の立ち会いのもと、検認調書を作成します。

家庭裁判所は、検認に立ち会わなかった利害関係人に対し、

検認をした旨を通知します。

 

遺言書が1通であれば比較的単純ですが、

複数通存在したり、

本当に遺言かどうか不明のものが存在する可能性が高い場合もあります。

開封できない以上、内容を検証できませんので、

遺言書と考えられるものがあれば、

全て検認の対象とするのが実務上の取り扱いだと思われます。

 

遺言の検認手続きを経ないで遺産分割等を行うと、

後で遺言書の存在が発見された場合には、

遺産分割後の相続財産の処分行為が無効とされるなどして、

当事者の権利関係が不安定になる可能性があります。

(特に、遺言執行者が指定されていた場合など)

 

3 弁護士費用


 

 

ご自身で行うこともできる手続きですが、

被相続人が亡くなられて間もないお忙しい時期に

家庭裁判所の手続きを経なければならないことは、

遺言書の保管者の方には重荷に感じられることがおありかと思います。

私が委任を受ける場合には私が遺言書をお預かりし、

責任を持って事務を遂行します。

弁護士費用は5万円(消費税別途)+実費にてお願いしております。

 

4 公正証書遺言のほうが紛争予防に優れていること


 

 

すでに自筆証書遺言が作成されている場合には、

検認手続きによるほかありませんが、

自筆証書遺言で検認を経ても、

遺言が有効か無効か、などの論点は解決しません。

せっかく遺言書を作成したのに、

方式等に関する疑義が生じてしまうことは、もったいないことです。

生前のご相談であれば、

公正証書遺言を活用されることをお勧めしております。

 

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相続(4)遺産分割と弁護士費用

2016.01.25更新

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今回は遺産分割について書きます。

 

1 相続分、遺産の範囲などの確定


 

 

遺産分割協議は相続人の全員により成立させる必要があります。

1人でも漏れがあると協議は無効になってしまいます。

そこで、協議の前提として、相続人の範囲を確定する必要があります。

市役所等から戸籍謄本を取得する必要がありますが、

被相続人の出生段階からの戸籍を取得する必要があります。

プライバシーの保護のため、兄弟姉妹等が相続人となる場合には、

当事者が取得することが難しい場合があります。

事案によりますが、

この段階で専門家に頼まなければならない場合が多いと思われます。

 

遺産の範囲を特定する必要もあります。

遺産か否かに争いがある場合には、

遺産確認の訴えなどを提起しなければならない場合があります。

遺産の評価等については、鑑定、査定などによって行うことになります。

 

2 遺産分割協議


 

 

遺産分割協議が成立したら遺産分割協議書を作成する必要がありますが、

所有権移転登記、相続税申告、預金の承継などの際に、

遺産分割協議書を作成する必要があります。

これらの手続きをする際には、

曖昧な文言を用いると途中で手続きが進まなくなる可能性があります。

また、事情により持ち回り等による署名捺印、

遠隔地にいる人の印鑑証明書の取得のお願いなど、

利害の対立する当事者間で調整的なお願いをする場面もでてきますが、

一定の職務上の信頼がある弁護士に

これを委ねたほうが良い場合が多いといえます。

 

テクニカルな側面を強調して職務を進めることもあります。

相続税申告において小規模宅地の特例などを用いたい場合には、

期限内に一部分割を行うことを促すなど、です。

 

3 遺産分割調停


 

 

協議が成立しない場合には

家庭裁判所において調停を行うこととなります。

詳細を書き始めるとこの程度のブログでは収まらないので、

簡単に書きますが、多くの場合、

劇的な勝利もなければ劇的な敗北もない、という、

紛争慣れしている弁護士から見れば、何とも不思議な世界です。

法定相続分という制度がある以上、当たり前といえば当たり前の話です。

その中でご依頼者にどのように納得していただき、

前に進んでいただけるような解決を見いだすかが、

弁護士の腕の見せ所です。

審判で予想される結果を踏まえながら、

アドバイスを行うことになります。

 

4 弁護士費用


 

 

協議の場合には、示談交渉事件の場合に準じて

着手金・報酬金(訴訟の場合を若干減額)にてお願いしております。

調停の場合には、事案によりますが、

訴訟の場合の着手金・報酬金の基準にてお願いしております。 

 

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相続(3)遺言執行者と弁護士費用

2016.01.24更新

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今回は、遺言執行者の業務と弁護士費用について書きます。

 

1 遺言執行者の業務


 

 

遺言執行者の任務は、

遺言事項を遺言者の意思に従って忠実に実現するというものであり、

その中でも、特定の相続人に相続財産を承継させることが

最も一般的な業務内容となります。

遺言の内容によっては、

遺言執行者の指定が必須となる場合もあります(相続人の廃除など)。

 

遺言にて指定された候補者が就任を承諾すれば

その候補者が遺言執行者となりますが、

指定がない場合や、指定された候補者が就任を拒絶した場合には、

家庭裁判所に対する遺言執行者選任申立を経て、

多くの場合、申立人が推薦した候補者が遺言執行者に就任します。

弁護士が遺言執行者に選任されるのは、

予め遺言にて指定を受けていた場合か、

家庭裁判所から選任される場合となります。

 

2 弁護士に関与させることが最も適切


 

 

時間と手間をかければ専門家でなくともできる任務です。

しかし、遺言執行者候補者が別の仕事に忙殺されている、

遠隔地にいる、体調が思わしくない、老齢である、

要介護者の面倒をみている、育児中である、というような事情により、

第三者に処理を委ねることが適切な場合があります。

加えて、遺言執行者は、例えば、相続税の税務申告などが必要であり、

税理士との連携をとる必要がある、

財産を受領しない相続人からの連絡にも対応しなければならず、

相続人の廃除申立などの家庭裁判所への立件を含め、

しばしば法律的な判断も必要である、などの事情もあるため、

弁護士に処理を委ねることが最も適切であるといえます。

 

3 弁護士費用


 

 

遺言にて遺言執行者を指定していただく場合には、

遺言に定めを置いていただくことをお願いしています。

経済的利益の額が300万円以下の場合は30万円(消費税別途)

300万円~3000万円以下の場合は2%+24万円(同)

3000万円~3億円以下の場合は1%+54万円(同)

3億円以上の場合は0.5%+204万円(同)

というのが旧弁護士会報酬基準の相場であり、

基本的にその相場にてお願いしています。

特に複雑な事情がある場合、裁判を経る必要がある場合などには、

協議させていただくことになります。

 

他方で、遺言にて遺言執行者の指定がなく、

家庭裁判所から選任された場合には、

報酬額は、家庭裁判所が決定した金額によることになります。

 

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相続(2)限定承認と弁護士費用

2016.01.23更新

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今回は、限定承認について書きます。

 

1 限定承認を検討すべき場面


 

 

限定承認を検討すべき典型的なケースは、

積極財産(資産)が消極財産(負債)よりも多い可能性が高く、

被相続人名義の自宅など、出来ることならば相続したい物件があり、

把握している負債の金額もそれほど多額ではないはずであるものの、

亡くなられた被相続人と相続人が絶縁状態、

音信不通であったり、関係が良好ではないなどの理由により、

把握できない負債があるのではないか、という懸念がある場合です。

 

2 限定承認の方法


 

相続開始を知ったときから3ヶ月以内の期限があります。

手続きは相続人全員で行う必要があります。

隠れ債務への対処は、官報において限定承認公告を行うことにより、

一定の期限(公告日から2ヶ月)内に届出をしなかった債権者を、

弁済から除斥することができます。

その後、存在することが明らかな相続債務については、

積極財産(≒プラスの相続財産)の限度で弁済します。

期限内に届出をしなかった債権者は除斥されますので、

届出がなければ、把握できない債務を遮断することができます。

 

3 注意すべき点


 

 

相続放棄と同様で、相続財産を処分してはいけません。

相続放棄と同様に、非常に微妙なケースにぶち当たります。

財産的価値がないと思うが、遺品等を処分せざるを得ないとか。

債務は、多くの場合、遺された書類や、

銀行の通帳の履歴などを見て判断せざるを得ません。

注意すべきは連帯保証債務です。

とくに、会社の債務の連帯保証が隠れている、というケースがあります。

単純相続した後で会社が破綻し、

会社の債務の連帯保証債務の履行を迫られたりするケースがあります。

そのような可能性を予測してご相談に乗るのが大事なことです。

 

4 費用


 

 

弁護士に委任する場合は、全ての手続きを弁護士が代理して行います。

概ね1件あたり着手金30万円(税別)、

官報公告費用、調査費用(戸籍取得等)については、

実費といったところだと思います。

債権者との交渉が必要となる場合(債務減額交渉など)については、

別途報酬金が発生することになります。

 

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弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

「池袋駅」西武南口徒歩1分

TEL 03-6871-9537

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投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

相続(1)相続放棄と弁護士費用

2016.01.22更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

今回は、相続放棄について書きます。

 

1 相続放棄を検討すべき場面

 

相続対策が問題になるケースは、

単純相続することがプラスの場合であって、

単純相続をしないほうがよい場合もあります。

積極財産よりも消極財産(負債)が多い場合です。

または、負債のほうが多いのではないか、という不安が残る場合です。

自分と日常的なつきあいのない、縁遠い方が亡くなり、

代襲相続などにより法定相続人となり、不安が残る場合などです。

 

2 相続放棄の期限

 

相続開始を知ったときから3ヶ月以内です。

相続人全員で行う必要はありません。

なお、相続開始を知った後3ヶ月を経過しても

相続放棄をすることができる場合があります。

民法の条文に反しているようにも思いますが、

私自身も直面したことがあります。

隠れ債務が見つかったときの救済なのかもしれません。

いずれにせよ、3ヶ月を経過したしないに関わりなく、

ご相談をお請けすることはできます。

 

3 注意すべき点

 

まず、相続財産を処分してはいけません。

しかし、実際に相続放棄申述をすると、必ずと言っていいほど、

非常に微妙なケースにぶち当たります。

財産的価値がないと思うが、遺品等を処分せざるを得ないとか。

債務は、多くの場合、遺された書類や、

銀行の通帳の履歴などを見て判断せざるを得ません。

注意すべきは連帯保証債務です。

とくに、会社の債務の連帯保証が隠れている、

というケースがあります。

単純相続した後で会社が破綻し、

会社の債務の連帯保証債務の履行を迫られたりするケースがあります。

そのような可能性を予測してご相談に乗るのが大事なことです。

 

4 費用

 

弁護士に委任する場合は、全ての手続きを弁護士が代理して行います。

概ね、放棄者お1人あたり着手金10万円(税別)、

調査費用(戸籍取得等)については、郵送料等を含め実費

といったところだと思います。

複数人いる場合は、着手金の減額も検討いたします。

 

5 どの専門家に頼むべきか

 

司法書士、行政書士の先生方が書類作成の代行等をされており、

一般に、弁護士費用より安い場合が多いと思いますが、

必要な事務処理は

戸籍の取得や家庭裁判所への申述書面だけに限られるものではなく、

積極財産の処理の方法や、債務の把握・予測、

その他のアドバイス(債権者対応)などにわたることがあります。

関連するアドバイスのご提供は上記の費用に含めて考えております。

一般的に、ある程度費用をお支払いいただいたほうが

お客様がアドバイスを求めやすいので、

弁護士に委任されるのが適切ではないかと考えています。

司法書士、行政書士の先生方の仕事を否定するつもりはありませんが、

関連するアドバイスなどが費用に込みになっているかには

注意されたほうが良いと思います。

 

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