弁護士業務の新規開拓など(9)~専門家の少ない分野(ニッチ分野)の専門弁護士
2016.02.25更新
東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で
主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。
人工知能の発達を意識した場合の専門性の高め方について
引き続き試論を書きます。
1 裁判例等の母集団を収集しにくい分野
裁判例等の母集団を収集しにくい分野、
いわゆる「諸法」といわれる分野については、
データを非常に収集しづらいので、
人工知能等による解決装置の開発が遅れると思います。
私も、特殊な法律を取り扱う業種に着目し、
その規制法規などを子細に検討する中で、
自分の活動領域を広げていきたいと思っています。
少し話が逸れますが、最近、
ある米国の有名ロースクールの客員教授の先生と
若干お話をする機会があり、
そこでその先生がおっしゃっていた言葉が印象的でしたので、
要点だけ紹介します。
「米国では、M&Aをする際に弁護士を選ぶときに、
まず、その弁護士がその業種に詳しいかどうかを把握して、
その後に依頼をするかどうか決める。
ところが日本では、弁護士がM&Aに強いかどうかを先に見る。
その弁護士がその業種に詳しいかどうかは
あまり重視されていないように見える。
理由が分からず、不思議だ。」
とのことでした。
2 具体例~特殊な行政法
取締法規など、特に商行為に関する各種規制法は、
文献が少なく、紛争も少ないところです。
これらに関するロジックを立てる能力をきちんと身につけておくことは、
人工知能に対する対策になると思っています。
税法なども同様かもしれませんが、
国際取引の絡む租税法の分野(租税回避、関税などもそう)は、
専門家も少ないので、海外取引の実務に触れながら
研鑽を積んでいきたいと思います。
3 具体例~自然に関する法律
森林法、温泉法、河川法、エネルギーに関する法などが
これに該当します。
私も森林法について詳しく知る必要があり、
農林水産省の書店や林野庁図書館、国会図書館に
通い詰めたことがあります。
(エネルギーはそうでもないですが)あまり法律家の需要があるとは
思えない分野であるうちは、
人工知能を開発する重要性にやや劣るので、
しばらくの間生き残るように思います。
私も、興味とご縁のある分野を探索していきたいと思います。
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