野澤吉太郎法律事務所 弁護士 野澤吉太郎

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弁護士業務の新規開拓など(5)~人工知能と弁護士業について

2016.02.21更新

東京都豊島区池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリア中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

前回の内容を受け、

人工知能が弁護士業に与える影響の予測について

勝手気ままに試論を書きます。

 

1 専門性が高いが標準化を目指す作用は人工知能に代替されうるのではないか


 

 

数値の分析に関連する仕事はその典型だと思います。

膨大なデータを統計の手法から分析して、

当該事例において出た異常値を分析できる可能性があるからです。

 

弁護士業においては、

文献・判例の検索、裁判作用などがその典型ではないかと思います。

特に、裁判作用は、経験則に基づいて

標準的な結論を得ることを目指す作用であることをその本質とするため、

主張と証拠の分析の手法を人工知能が身につけてしまえば、

あとは簡単ではないか、という感じがします。

 

実際に、訴訟実務においては、事案のあらましを聞けば、

大まかな方針を立て、結論の予測を立てることを求められます。

あとは長い時間を掛けて

その結論を得るための主張立証活動を行いますが、

その手間暇を人工知能が代替すれば、

ユーザーはコストを削減することができるかもしれません。

また、文献や判例の検索などは、以前よりもずっと簡単になっています。

分野の種類を書くことは控えますが、

類似案件や文献などをもっぱら深掘りして検索し、

考察することを求められる専門分野は、

長い目で見れば危ないように感じています。

 

2 代替されない作用は何かの予測


 

 

既存業務では、

刑事弁護案件などは現状に近いまま生き残るように思います。

犯罪が劇的に減少することはないでしょうし、

加速度的に氾濫していく情報媒体から

丸ごと遮断されるところにその特色があるからです。

 

人工知能が弱い分野である、

他者への共感性を強く要求される仕事も同様です。

街弁はその典型だと思われますので、

徹底的に依頼者に寄り添う仕事の仕方をしていくのであれば、

街弁も生き残れるのではないかと踏んでいます。

 

比較的クリエイティブな作用、例えば契約書の起案なども、

しばらくは大丈夫だと踏んでいます。

契約書の起案などは、突き詰めていくと本当に難しい領域であり、

本当に難しい契約書の起案などについては、

すぐには代替されないのではないかと予測し、

私自身もその種の仕事を敢えて増やしています。

これも、長い目で見れば、どうなるか分からない、

予断を許さない、と感じています。

せめて、私が現役でいる間くらいはもってほしいな、と願っています。

 

上記を前提と仮定した場合に、

どういう新規事業が伸びてくるかの勝手な試論を

次回から書いてみたいと思います。

 

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投稿者: 弁護士 野澤吉太郎

弁護士業務の新規開拓など(4)~弁護士の増員は弁護士業界の脅威か

2016.02.20更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

弁護士業務の新規開拓の機会と裏腹にある、

弁護士業務についての脅威について試論を書きます。

 

1 弁護士増員は弁護士業界の脅威か?


 

 

弁護士業界にとっての脅威は何かと同業者に聞けば、

十中八九(というよりも99%)の人は、弁護士増員である、

と回答すると思いますし、社会一般の目もそうだと思います。

確かに弁護士が増員したとはいえ、

訴訟事件数等は大して増えてもいないことを考えると、

1つの脅威かも知れません。

 

しかし、需給バランスによる脅威は弁護士業界に限った話ではなく、

成熟期にある産業では一般的にみられる傾向のように思います。

公認会計士、歯科医師、農業、漁業なども同様か、

それ以上の苦難を味わっていると思われます。

業界が定員に関して議論しているだけでは、

業界団体の意見の域を出ず、

国民の強い理解を得られるとは思われません。

 

増員は短期的には脅威かも知れません。

しかし、必要に迫られて、

業界全体が新たな分野を徐々に開拓することを促す側面もあり、

それに対する社会の理解も徐々に進んできますので、

長期的にみれば、あながち悪いことばかりではないように思います。

 

もっとも、あと何年で引退する年齢になるか、

ということも大きいと思います。

あと10年とか15年くらいで引退できる人にとっては、

その後の変化についてはあまり関係がありませんので、

増員は大きな脅威かも知れません。

しかし、中期的な流れとは別に、

長期的な流れも見ていかないといけない世代もいます。

 

2 本当の脅威は何か


 

 

あと30年、40年くらい働かなければならない世代の人にとっての

本当の脅威は、

自分の仕事が人工知能にまるごと代替されることである、

と踏んでいます。

仮にそのようなことが起こったら、増員、減員も関係なく、

業界全体が脅威にさらされることになります。

頭脳労働の専門職で、ノウハウに高い費用を支払っている業種などは、

人工知能により代替されやすいと言われています。

公認会計士などがその例としてあげられていますが、

弁護士もその例から外れるとは思えません。

 

人工知能が発達すれば、

例えば、準備書面(または事実関係を説明する書面)と、

証拠の記載内容のデータの文脈を読み取り、

過去の膨大な判決を回帰分析等の手法によって

傾向を分析したソフトに入力すれば、

ボタンの一押しで予想される判決が出てくる、

そのような情報が安価に提供される、

などという時代が来るかも知れません。

 

現にその萌芽は出ているように思います。

インターネット上には

契約書や内容証明郵便の書式、法律相談の問答などがあふれています。

科学技術の飛躍的発達に関するニュースもあふれています。

たとえば無人機がテロリストを爆殺した、

人工知能が将棋、チェスを行っている、

センター試験で何点をとった、などです。

そういう社会が到来しようとしていることを

食い止めることは非常に困難です。

 

人工知能が発達した社会でどの程度の法曹人口が適正かは、

今後の法曹業務がどのようなものに変貌していくかにかかってくるので、

現在の人口が多すぎるのか、少なすぎるのかは、

何とも言えないところだと感じます。

少なくとも私自身はあと30年から40年は

働かなければならない年齢ですので、

人工知能の発達した社会が到来したときに、

自分自身がこれにどのように対処すべきか、

その中でどのような新規事業を見つけて継続していくか、

などを延々と考えていかなければならないと考えています。

 

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弁護士業務の新規開拓など(3)~アウトプット、弁護士ブログの効能

2016.02.19更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

新規開拓した弁護士業務のアウトプットについて

書いていきたいと思います。

 

1 アウトプットとインプットのサイクル


 

 

新しく得たノウハウを新しい案件にあてはめて

アドバイスすることを徹底的に繰り返します。 

その際に、一見当該案件とは疎遠と考えられる職務経験を

応用することが、非常に役に立つことがあります。

 

例えば合弁会社の解散と離婚は、別れるという点で共通です。

離婚調停のときに最後に問題になるのは非常に細々とした話です。

債権回収や個人の債務整理の経験が銀行との交渉に役に立つとか。

例を挙げればキリがありません。

 

マチ弁の仕事が企業法務に役に立つことは多々あります。

そういう言い方をする人が非常に少なく、

その理由がなぜなのか、分かりません。

 

新しい案件で新たに勉強することや、

法律とは関係のない隣接した分野の話に耳を傾けたりするなかで、

新たなヒントを得られることもあるので、

そこからはインプットの始まりです。

 

2 アウトプット~ブログの意味


 

 

話は変わりますが、ブログを連綿と書いています。

過去に得た一般的な職務上の経験に関するテーマも書いていますが、

新規事業について比重を置いて書くようにしています。

我ながら、結構珍しいことも書いているように思います。

 

ブログを書くことには、考え方を世の中に伝えるという意味があり、

広告の意味合いもあるでしょうし、

閲覧されている方に対し、参考情報を提供する、

という意味合いも確かにありますが、

私自身にとっては、時間をかけて書くことを考えていく中で、

新規事業の意味づけを自分なりに咀嚼するために書く、

という意味合いのほうが強いように思っています。

 

少なくとも、インプットと一応の経験がなければ、

新しいことを書くことはできませんが、

何となくブログの構想を練っているうちに、

これから書こうと思っている内容の仕事が、

急に舞い込んできたりするので、そのあたりに面白みを感じています。

 

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弁護士業務の新規開拓など(2)~必要な準備、研鑽

2016.02.18更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

引き続き、弁護士業務の新規開拓について、

非常に拙い体験談を交えて書きます。

 

1 必要な準備~本屋さん巡り


 

 

ある程度の期間、一般の企業法務と訴訟実務に従事していましたが、

故あって、否応にも新規開拓を考えざるを得なくなる時期がきました。

その折、いくつか新たな出会いがあり、

新たな業務を開拓する契機を得ました。

むろん、最初はお試しのような話であり、

すぐに報酬に結びつくような話ではありません。

既存業務と並行しながら模索的に活動することとなりました。

 

法律事務にかかわらない横断的な知識も必要になりますので、

比較的時間が取れたときに、

大型書店(三省堂、ジュンク堂、紀伊国屋など)、

神保町の本屋や大学の本屋などを巡り、

関連分野(ビジネス領域)の本屋の陳列と観察をすることとしました。

これにより、特定の業種に強い出版社の名前を把握したり、

分類、陳列の仕方に売り手側の考え方を感じることができ、

こういう問題が起こったらまたここに来ればよい、

ということが確認できますので、

この方法は非常に有用なことを実感しました。

 

裁判所地下や弁護士会の本屋には、法律書籍が多すぎるので、

新しい着想を得ることはなかなか難しいところもありましたが、

他の人があまり寄らない棚を注目してみるようにします。

わずかに陳列されている書籍が何なのかを見たりしていました。

 

書籍を購入するかどうかは、余裕資金と相談して、

そのときの感覚にマッチするかどうかで決めることで、

直ちに購入することもあれば、

1時間書店に居ても何も購入しないで帰ることもあれば、

最初に立ち見してから1年後に買うこともある、という具合です。

アマゾンで中古本があるかどうかを確認して買うこともあります。

 

過去には非常に忙しくて本屋にも行けない時期がありましたが、

その時期にはクリエイティブな発想は全く出てきませんでした。

本屋を巡っていると自ずとマーケティングを行うきっかけができます。

小さな単位で仕事をしている弁護士にとって

本屋さん巡りは非常に重要です。

 

2 必要な研鑽


 

 

購入した書籍については、順次読んでいきますが、

その内容は腑に落ちる時期は巡り合わせのようなものなので、

周りの人の話を聞いたりしながら、腑に落ちた時期に書籍を購入し、

読むようにしています。

難しい書籍だけでなく、一般のビジネス雑誌なども、

機会のあるときに読むようにしています。

 

私は、法学については、大学の講義一覧表などをみれば、

大まかな分類が分かるのですが、

たとえば会計学や経営学などについては、

大まかな分類の見当を付けづらいので、

大学の基本書のようなものを探して入手し、

知りたいことの学術上の位置づけなどを把握するように心がけます。

 

そうした作業を繰り返していくと、

大学の教養課程などで勉強することが、

新しい事業領域の着想を得るために死活的に重要であることを、

強く思い知らされます。

司法試験を目指している周りの学生は、

教養課程などに目もくれない人が沢山いましたが、

長い目で見れば、そういう受験の仕方、させ方、

あるいはその延長線上の仕事のさせ方を継続していると、

早晩立ちゆかなくなるだろうと思います。

 

あとは、新しく得たノウハウを新しい案件にあてはめて

アドバイスすることを徹底的に繰り返すプロセスが残ります。

体験談と言っても途上の話ですが、

これからも同様のことを継続していくつもりです。

 

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弁護士業務の新規開拓など(1)~新規事業への進出

2016.02.17更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

少しテーマを変え、

弁護士業務の新規開拓について試論を書きたいと思います。

 

1 顧客単位の開拓


 

 

弁護士の間で新規開拓の方法は各人各様であると思います。

これまでのところ、全体として、この業界では、

顧客開拓に重きが置かれていたように思います。

 

顧客とのつきあいを広げる方法としては、

例えば酒席、ゴルフ、ロータリークラブに参加するなど、

いろいろな方法がいわれています。

弁護士会の派閥、委員会、勉強会、業界団体にこまめに顔を出す、

などの方法を採っておられる方もいます。

ホームページなどで広告を打つことなども一種の戦略だと思います。

どの件に、どのようにメリハリを置いているかについて、

詳しくは書けませんが、

私もこの種の努力を怠らないようにしています。

 

しかし、既存の弁護士業務(特に訴訟案件)は、数も限られており、

弁護士が増えている中で、既存の営業活動のみを強化し、

限られたパイを奪い合うだけでは、

将来的には摩耗するだけの可能性が高いように思います。

 

2 専門分野の深掘


 

 

最近は、専門性を持つ弁護士は重宝される傾向が

ますます強まっていくので、

専門性を深掘する方向性を極めていくことは、確かに重要です。

例えば

離婚に強い~

労働法に強い~

企業法務に強い~

中国の法律に強い~

など。

弁護士の業務を法分野別に分け、その専門性を競う傾向にあります。

 

しかし、専門性を備えていさえすれば良い、

というわけにもいかないように思います。

そもそも何をもって専門的能力が高いか、というのかは、

非常に難しいことです。

せいぜい文献や経歴から判断することくらいしか

できないのではないかと思います。

インターネット等で案件の勝訴実績を誇るような場合にも、

端から見て、これは本当に勝訴か?と疑問に思うこともあります。

ものは言いようなところがあります。

 

専門性と時流がマッチするかしないかによっても変わってきます。

過払いなどはその典型だったように思います。

あるいは、破産法にいくら詳しくとも、

破産事件そのものが少なければ、仕事は先細ってきます。

時流とマッチしない専門性を持っていても、

誰かが面倒を見てくれるわけでもないところが

恐ろしいところです。

いずれ人工知能に取って代わられるのではないか、

という潜在的な脅威もあります。

 

3 新規事業への進出

 

人によって向き不向きがあることだと思いますが、

私自身は、それまでの職務経歴、近しい人間関係などをもとに、

時間を掛けていろいろ考えてきましたが、私自身にとっては、

顧客開拓、専門分野の研鑽をしながら、

新規事業への進出に主眼を置くことが、

一番しっくりくる方法です。

 

学者や実務家が分けた実務上のカテゴリーを、

弁護士も弁護士を使う側もそのまま用いていますが、

時代の変化は日を追うごとに早くなっています。

その種のカテゴリーを横断したノウハウが必要とされることは

間違いない状況になっています。

旧来のカテゴリーに拘り続けることは避けたいと考えています。

 

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企業法務/海外子会社管理(4)ガバナンス体制

2016.02.16更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

海外子会社管理の援助の業務の一環として、

最初に行われるガバナンス体制の確認について、

試論を書いてみたいと思います。

 

1 日本の親会社と海外子会社の資本関係等についての確認


 

 

資本関係にはいろいろなパターンがあります。

子会社であったり孫会社であることもありますが、

あるいは合弁会社などのように、他の株主がいる場合もあります。

多くの場合、これらの情報は日本で情報を入手することができます。

 

この点についての確認を経ないと、

各論に入るときに論点が出てきません。

一例を挙げると、

日本親会社と海外子会社との間で国際取引を行う場合には、

通常形成される正常な取引価格(独立企業間価格)にて

取引を行う必要があります。

いわゆる移転価格税制の問題です。

日本親会社の側に特に問題意識がないような場合などには、

啓蒙する方法、内容を考えることになります。

 

2 親会社の管理方法の確認


 

 

子会社だけを観察するのではなく、

日本の親会社を観察することが必要です。

 

親会社は子会社をどのように戦略的に位置づけているのか。

親会社と子会社はどのような役割分担を行うのか。

親会社側の窓口は誰になっているのか。

日本側では、海外事業部を設けるのか、

各事業部門が管理するのか、

特に中小企業の場合には

過度に属人的な管理方式になっていないか、

親会社は子会社からどういう情報を入手し共有しているか、

改善点はどの点にあるか、

など考察すべき点は諸々あります。

 

日本の親会社等からヒヤリングを行い、

その会社に合った方式が何であるかを判断し、

改善が必要であれば指摘を行います。

管理が緩やかすぎて子会社の活動が野放しにされていても、

管理を強化しすぎて子会社の活動を阻害するようでもいけません。

 

3 子会社の組織の確認


 

 

役員構成、組織図等を入手し、

当該国の会社法に適合しているかを確認します。

どの程度労力と時間を掛けるかはケースにより異なりますが、

簡易な調査で済む場合には、

投資情報のホームページ(ジェトロなど)、文献などを確認し、

綿密な調査が必要な場合には

当該国の会社法の原典にあたって調べることになります。

 

子会社の組織と親会社の組織のそれぞれを確認した上で、

その協働が円滑に行われるといえるか否かを

判断していくことになります。 

 

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企業法務/海外子会社管理(3)具体的な調査項目、調査内容の決定

2016.02.15更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

海外子会社管理の援助の業務について試論を書いていますが、

今回は、具体的な調査項目、調査内容の決定の方法について、

書いてみたいと思います。

 

1 ビジネスモデルとガバナンスの把握


 

 

どのような調査を行う場合でも、

ビジネスモデルの把握・

事業を取り巻く外部環境の把握・

ガバナンス体制(組織図など)の把握は、

調査の大前提となります。

 

社外取締役や社外監査役に就任された方であれば別ですが、

既存の弁護士業務を行ってきた弁護士にとって、

組織図を批判的に検証することは、あまりなかったことと思います。

私自身もその例外ではありませんが、

主として、

コミュニケーションと業務の円滑を阻害する事象があるのか否か、

何か問題点があるのであれば、意見を具申できるように、

準備を怠らないようにしています。

 

そのなかで、リスク(不確定事象)の有無、内容、程度を

自分なりに確認します。

そして、調査の各論に入り、調査項目、調査内容を決めていきます。

当然のことながら、日本にいる間に入手できる情報は

極力入手して分析することになります。

最近はインターネットが発達しており、

相当詳細な各種統計資料なども

ダウンロードすることができますので(ただし英語)、

これを参照します。

 

2 弁護士の担当分野とその他の担当分野


 

 

弁護士は、

ガバナンスの確認、

コンプライアンス・現地法令の確認、

重要な契約書の確認、

業務フローの確認、

内部統制など

について検討することが主です。

この部分については弁護士が自分のノウハウとして

蓄積していかなければならないところです。

 

チームを組んで調査を行う場合、

そのほかに具体的に何をするのか、ということが問題になります。

他者のノウハウに絡むことであるため、

詳細については、勝手には書きづらい事情がありますが、

大雑把にいえば、

会社は売上を向上させ、費用を減少させることで利益を得るのですから、

売上向上策と合理的な経費節減の具体的方策の検討は必須であり、

マーケティングと財務の両観点からの分析が

必要になることは自ずと明らかなことです。

 

自分の担当分野ではない部分の具体的な調査内容の決定等については、

自分よりもその分野に強い人にお任せするとしても、

問題意識をもち、

討議に参加できる程度の勉強をしておかなければなりません。

 

3 調査項目と調査内容の決定


 

 

調査の大項目を決めた後は、

中項目・小項目の何を重点的に調査していくかを決めます。

日本で入手できる資料、

具体的には、公開されている資料と当該会社の資料を付き合わせながら、

検討を進めます。

1例を挙げると、多くの場合、労働法に関わる分野については

重点的に調査を行うことが多いと思われます。

 

日本の親会社が多くの子会社を有している場合などには、

各国で使えるマニュアルを構築することも1つの目標となります。

最初の調査を通じて、モニタリング体制構築の足がかりとします。

 

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企業法務/海外子会社管理(2)調査の概要と程度

2016.02.14更新

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主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

海外子会社管理の援助の業務について、

引き続き試論を書いていきたいと思います。

2回目は調査の概要と程度について書きます。

 

1 調査の概要~焦点、重点を絞る活動


 

 

調査は的を絞って行わなければなりませんが、

調査人員、時間、コストからの制約があり、

自ずと、調査の焦点を事前に絞らなければならなくなります。

また、重点的に観察すべき項目はさらに絞られてくるように思います。

 

前回に述べたとおり、

チームを組んで海外子会社の調査を行うことになりますが、

親会社の経営陣、ないし合弁会社である場合は、

他の株主の経営陣がどのような懸念をもち、

調査チームに対してどのようなリクエストをしてくるのか、

調査を受ける子会社の経営陣が

何を調査して欲しいと要望しているのか、

それらを事前に聴き取った上で、

焦点、重点を絞っていくことになります。

 

弁護士として私がチームの一員に入り、活動する場合には、

主に、コンプライアンス、内部統制についての調査を

担当することとなりますが、

何時どのような理由で

他の調査項目が関係してくるか分かりませんので、

自分の担当かどうかにかかわりなく、

全ての打ち合わせに参加するように時間のやりくりをします。

 

最初にやらなければならないことは、

具体的な調査内容を決定することです。

合議のうえ、調査のマニュアルを早急に策定することとなります。

 

2 調査の程度

  ~公認会計士における「レビュー」と「監査」の違いを類推すること


 

 

調査の程度をどの程度深化させるかは、

いつでも難しい問題のように思います。

この点について、公認会計士の業界で用いられている

「監査」と「レビュー」の両手法が参考になります。

これをある程度意識しておくと、調査がオーバースペックにならず、

柔軟に進めやすいと考えられます。

 

私は公認会計士ではありませんので上手に説明できませんが、

私の拙い理解では、

「監査」は、外部からの情報も含めて実査、立会、確認の作業を行い、

会社の内部外部を問わず情報を取得して監査手続きを行うもので、

財務諸表の整合性について積極的な意見表明を行うものです。

「レビュー」は財務諸表の分析は行うものの、

情報源は主に内部の担当者(経理担当者)が装丁されており、

財務諸表に修正を要する項目が発見されなかったことについて、

消極的な意見表明をするものです。

当然、監査のほうが負担が重く、費用もかかる、ということになります。

 

会計監査人監査を目的とするものではない調査であれば、

財務デューディリジェンスの場合には、原則としてレビューで足り、

非常に重要な事項については、監査に準じた手続きをとる、

ということで良いのではないかと思います。

 

他のパートについてもほぼ同じ考え方で臨むべきものと考えられます。

法律の分野で言えば、現地法について、

最初から頭にたたき込まなければならない、

と堅く考える必要はない、ということになります。

デューディリジェンスを極められた方からしてみれば、

至極当然のことのように聞こえると思いますが、

チームに一般の従業員などが含まれる場合もあるので

(現場業務フローを観察する人など)、

このことを意識していただくよう啓蒙することが、

私たちの仕事の1つになります。 

 

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企業法務/海外子会社管理(1)海外子会社への調査の意義

2016.02.13更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

法務の役割について一通り書く中で、

戦略法務、法務部の役割についてもブログを展開しましたので、

その延長線上で、戦略法務のあり方について

記載していきたいと思います。

具体的には、海外子会社管理の援助の業務に踏み出しています。

いまだ試論の域を出ていませんが、しばらく書いていきたいと思います。

 

1 海外子会社への調査の意義(日本の親会社からの視点)


 

 

日本にある親会社と海外にある子会社は、

距離が離れているため、

親会社が子会社を随時訪問することができないことが多く、

海外子会社の活動をチェックすることは容易ではありません。

通常は、主に月次資金繰り表や年次の決算書などを送ってもらい、

これを分析の用途に供することとなります。

大まかな経営実績を把握したとしても、

その数字が真に信頼がおけるものかどうかは不明です。

海外子会社が何を考え、

どのようなビジネスを遂行しようとしているのか、

その取引先との関係はどうかなどを知るためには、

たとえ親会社・子会社という近しい関係であるとしても、

積極的にコミュニケーションをとっていかない限り、

きちんと情報を入手できなくなるものです。

 

特に中小企業では人手が足りず、

子会社の管理のノウハウが確立されていないことが多いかと思いますが、

大企業とその海外子会社についても、質量の違いはあれども、

共通の悩みどころであるはずです。

最近では、テレビ会議等を行ったり、

電子メール等でやりとりをすることができるようになり、

かつてよりはコミュニケーションの状況は改善しています。

しかし、コミュニケーションの状況の改善は、

ビジネスの速度が速まることと裏腹の関係にあります。

海外子会社管理についても

競争相手がいることを認識しなければなりません。

かつてより子会社管理が楽になったということはなく、

むしろ煩雑になっているものと思います。

 

目が届きにくいところには不正が起きやすいものです。

多くの不正が海外子会社を通じて行われていると言われています。

海外子会社を含めた内部統制の構築が重要視されている傾向にあります。

 

2 海外子会社への調査の意義(海外子会社からの視点)


 

 

海外子会社は調査に協力することになりますが、

手間を掛けさせる側面がありますので、

親会社は、応対の手間に報いるよう、

海外子会社の活動に役に立つような調査をしなければなりません。

事前に入念に調査して臨むことが必要なことは当然です。

海外子会社の尊厳を傷つけたり、横柄な態度、

搾取を仄めかすような態度を示すことは、

モチベーションを下げるきっかけになりますので、

あってはならないことです。

 

海外子会社の関係者は、親会社の方針などを詳しく聞くことや

適切な援助を受けることなどができず、

業務上の迷いを覚えながら仕事をしていることもあります。

海外子会社の関係者に惜しみなくノウハウを提供することで、

海外子会社の業績の改善に繋げ、

ひいてはその経営陣、従業員の待遇を改善する、

という共通の目標をもち、

前向きにコミュニケーションをとることが重要です。

 

海外子会社管理の際に、改善点を見つければ、

遠慮なく指摘します。

日本の親会社の担当者等は、

子会社の経営陣に比べれば第三者的な立場に立ちやすいといえます。

労使間に少しわだかまりがあるような場合に、

日本の親会社の担当者が、

合理的な理由に基づいて改善点の指摘、アドバイス等をした場合、

子会社の労働者は、

経営陣が同じことを言うよりも言うことを聞いてくれやすくなる、

親会社もこう言っているから改善して欲しいと言いやすくなる、

という話を聞いたこともあります。

 

3 チームを組むことの重要性


 

 

海外子会社管理は、結局のところ、

様々な視点から1つの会社をフォーカスし、

濃淡の差こそあれ、総合的なデューディリジェンスを行う業務です。

もろもろのパートにつき、

それぞれの知恵を結集して、

チームを組んで実践していくことになります。

1人ではなかなかできませんが、

どの会社でも共通のノウハウを構築することにより、

次第に少数精鋭でも活動できるようになるはずです。

 

具体的な段取り(試論)については、次回以降に回したいと思います。

 

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企業法務(10)法務部の組織構築

2016.02.12更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

臨床法務予防法務戦略法務について書いてきましたので、

最後に、それらの法務を統合した組織(または機能)である、

法務部の構築について書いていきます。

 

1 法務部または法務機能


 

 

今後の会社の法務活動においては、臨床、予防、戦略の各領域を、

バランスよく遂行していくことが必要となることは間違いありません。

予算管理等を行いながら、

部員のスキルを向上させることも職務になります。

 

当然ながら、難しい側面がたくさんあります。

戦略法務自体が

最近になってクローズアップされ始めた活動であるため、

自社の置かれた現在の環境に合わせて

職務を再定義する必要があります。

他部署との業務分掌の境界を再検討、

再構築しなければならない場合もあると思われます。

 

上場企業などの大きな会社では法務部が存在することがありますが、

既存の法務部でも、

能動的・積極的業務にどの程度関わってきたかは千差万別であり、

職務の再定義の難しさは、

法務部が存在しない(機能だけ存在する)場合とは

違った難しさがあるように思います。

法務部の有り無しにかかわらず、法務機能を構築する業務は、

非常に裾野の広い業務だと思われます。

 

2 法務部の構築に関する弁護士の関与


 

 

法務部の構築まで至ると、一部の企業内弁護士の方を除き、

弁護士が関与している例をあまり聞いたことがありません。

おそらく、前例はかなり少ないのではないかと思われます。

法務戦略構築のためには、

戦略法務までを体感的に理解する必要があり、

経営についても深く観察しなければなりません。

 

私自身は、法務機能の構築をミッションとしうる案件を抱えています。

非常に稀有なことだと思っています。

創意工夫を凝らし、覚悟をもって職務に邁進し、

貢献していきたいと思います。

 

弁護士が法務部の構築業務に関与することにより、

臨床法務、予防法務などの領域において、

外部弁護士と法務部員の間で個々に構築したノウハウを、

組織全体に還元していくことが、

初めて可能になるのではないかと思っています。

 

3 文献など


 

 

他部署との職務分掌、人員構成、割り振り、

同部署内での業務分担等についての研究は、

ほとんど進んでいないように思います。

瀧川英雄先生の

「スキルアップのための企業法務のセオリー」

「レベルアップをめざす企業法務のセオリー 応用編」

 (いずれもレクシスネクシス・ジャパン)

が非常に参考になるので、読みながらいろいろと考えています。

書いてあることは、弁護士にとっては非常に常識的で、

スッと腑に落ちるものなので、読み進めることはできます。

ではいまの自分が同じ文章を書き進められるか?

と言われると、到底無理です。

専門化、分化が進みすぎた時代において、本当に必要なことは、

ジェネラルな暗黙知をマニュアル化することだに思います。

 

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