野澤吉太郎法律事務所 弁護士 野澤吉太郎

  • 弁護士野澤吉太郎をご指名ください 受付時間 9:30-18:00 土日祝 定休
  • お問い合わせはこちら 03-6871-9537

契約書(8)契約法と裁判例

2016.02.05更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

久しぶりにテーマを変え、契約法と裁判例の関係について書きます。

 

1 司法教育における契約法と実務の契約法の乖離


 

 

弁護士は、大学・大学院、司法研修所での要件事実の教育の中で、

民法を勉強することになりますが、

そこで教育の対象となる事柄は、裁判規範としての民法です。

出発点は民法の条文であり、

その解釈論、裁判例、要件事実論の教育に力が置かれています。

 

紛争当事者間が密接な社会関係をもたない領域においては、

その教育は非常に重要です。

例えば自動車事故等においては不法行為法の領域になります。

訴訟によらなければ解決できない場合が多く、

その結果、膨大な裁判例が蓄積されていきます。

 

しかし、契約法においては、

紛争当事者間が密接な社会関係に立つ場合が多く、

取引の交渉の中で紛争が解決することが多いため、

紛争が訴訟の場に持ち込まれること自体が少なく、

仮に紛争に持ち込まれたとしても、

訴訟の争点となる論点は契約全体のごく一部の条項に過ぎず、

裁判例があったとしても、

取引の周辺的な分野に関わることが多くなります。

多くの場合、契約条項の効力が民法の条文よりも優先するため、

法律上のどの条文の解釈が問題になるのか

分からない裁判例も多くあります。

 

そのため、司法教育における契約法と、

実際の取引で問題になる契約実務とは大きく乖離している、

といわざるをえなくなります。

既存の司法教育をどれほど沢山受けても、

契約実務の実像を掴みきることはできないように思います。

 

2 取引実務と弁護士実務


 

 

法学部生、ロースクール生、司法修習生から法曹実務家になり、

法曹実務家としての専門性を極めていけばいくほど、

どうしても裁判規範中心のものの見方になってしまい、

企業の取引実務の要望と乖離してしまう、

という状況があることは、否定できないように思います。

民事裁判官は、裁判事案を処理するわけですから、

それまで受けた教育で問題に対処することができますし、

むしろそうすべきですが、

弁護士はそれでは困ります。

ビジネスを真摯に見つめて事務処理をすれば、

自ずと取引実務の要望に近づいていくはずですが、

そうでない方も結構います。

 

一例ですが、秘密保持契約は、その内容よりも、

重要な情報をお互いに開示して密接な社会関係を築く足がかり、

という意味合いが強いため、

内容云々を時間を掛けて検討するよりも、

とにかく可及的速やかに確認を終えなければ

依頼者に迷惑を掛ける性質のものです。

従業員に対して求める誓約書などもその部類に入るかも知れません。

ビジネスにおいては本当に重要な契約書です。

しかしながら、秘密保持契約のチェックを

弁護士にたなざらしにされた例などを聞いたこともあります。

企業側と弁護士側の認識のズレにより、

ニーズを満たせなくなる、ということは、多々あるように思います。

 

3 文献


 

 

契約法に関する文献は世の中に沢山出回っていますが、

基本書は民法を出発点とした条文解釈と判例分析に偏りすぎており、

典型契約以外の契約類型に関する実務家の文献も

裁判例に引きずられたものが多いです。

裁判例を中心に書かれた文献をどれほど頑張って読んでも、

契約実務の全体像を理解することは難しいのではないかと思います。

 

その中で、平井宣雄教授の「債権各論Ⅰ上 契約総論」(弘文堂)は、

非常に優れた文献だと思います。

契約法学を「特定の取引主体間における権利義務関係を事前に設計することを主たる任務とするもの」

と定義されている点は、恐ろしく的を射た分析だと思います。

ビジネスにおいては、裁判を念頭に置いていることはほとんどなく、

契約書に書かれた内容によって交渉が規律されていきます。

 

これらを事前に予想することは、

ビジネスそのものを深く理解していないと不可能なことです。

ベストの契約弁護士になることは最も困難な途だろうと思いますが、

覚悟をもって進みたいと思います。

 

弁護士野澤吉太郎について

 

弁護士費用について

 

■「契約書」についてのその他の関連ブログはこちら

契約書(1)

契約書(2)

契約書(3)

契約書(4)

契約書(5)

契約書(6)

契約書(7)

契約書(9) 

 

■「契約書」についてのHPの詳しい情報はこちら

契約書詳細ページ

 

 

■相談・問い合わせはこちらをクリック■

--------------------------------

野澤吉太郎法律事務所

弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

「池袋駅」西武南口徒歩1分

TEL 03-6871-9537

HPはこちらをクリック

投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

倒産処理(7)民事再生

2016.02.04更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

倒産処理の最後に、民事再生申立について書きます。

 

1 民事再生を選択する場合


 

 

どういう場合に民事再生手続きを利用するかについては、

いろいろなところで論じられてきたことです。

キャッシュフローが出る状態か、

現金決済等による場合でも取引の継続は可能か、

運転資金は確保できるか、弁済計画を立案できるか、

経営者・従業員の信頼関係があるか,

などの任意整理と類似の論点をクリアした場合に、

そのために元本の減額が必要となるか、

という判断を踏まえて結論づけていくのが適切なように思っています。

個人の場合の任意整理と民事再生の区別の場合と似たような考え方です。

 

2 再生計画案の立案


 

 

申立代理人弁護士は、経営者とともに、

再生手続開始決定後も引き続き任務にあたることになります。

各種権利関係を洗い直し、破産配当率を上回る弁済方法を定めます。

その過程で事業譲渡を行い、譲渡代金を弁済原資に加え、

事業譲渡後の法人を実質的に清算する場合もあります

(割とこのケースが多いように思います)。

 

任意整理と異なり、金融債権者以外の全ての一般債権者を巻き込み、

平等に扱わなければならない手続きであり、

別除権協定等を締結できない限り、

担保権の実行を避けることもできません。

債権者集会において再生債権者の決議を経なければなりませんし、

清算価値を上回る弁済ができない場合には

破産に移行するしかありません。

事業譲渡や破産に至る可能性を覚悟して

申立をしなければならないので、

安易に手を出すと取り返しの付かない手続きです。

早い段階からご相談いただくことが必要かと思います。

 

3 弁護士費用等


 

 

一概に言えないところですが、

小規模法人であれば50万円(消費税別)以上、

通常の法人であれば100万円(消費税別)以上、

というのが大まかな目安でしょうか。

会社の規模、関係者の数、負債総額等により、

増額をお願いしています。

 

再生計画案に説得性を持たせるためには、

経営コンサルタント、公認会計士等との連携が

不可欠であると思います。

連携する専門家の費用については、

依頼者と専門家の間に入ってご相談させていただくこととなります。

 

監督委員の報酬のための予納金も別途必要になります。

裁判所によって異なりますが、

概ね、負債総額によって決する場合が多いようです。

監督委員の報酬として見込まれる金額は、

申立代理人側の弁護士・専門家の費用を算出するにあたり、

参考にすべきものと思っています。

 

弁護士野澤吉太郎について

 

 

■「倒産処理」についてのその他の関連ブログはこちら

倒産処理(1)

倒産処理(2)

倒産処理(3)

倒産処理(4)

倒産処理(5)

倒産処理(6)

 

■「倒産処理」についてのHPの詳しい情報はこちら

 

■相談・問い合わせはこちらをクリック■

--------------------------------

野澤吉太郎法律事務所

弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

「池袋駅」西武南口徒歩1分

TEL 03-6871-9537

HPはこちらをクリック

 

投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

倒産処理(6)任意整理(法人とその代表者の場合)

2016.02.03更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

少し間が空いてしまいましたが、

今回は法人とその代表者の任意整理について書きます。

 

1 債権調査と弁済計画の立案


 

 

各債権者に対して一斉に受任通知を出します。

弁護士が受任通知を出した後には、お客様である債務者に対して

債権者が直接接触し、取立て等をすることはできなくなります。

支払が止まっている間に弁済計画を立案し、

早期に、各債権者に弁済計画案を提示します。

個人の任意整理の場合とそれほど変わるものではありません。

 

2 弁済案の内容


 

 

元本の分割弁済をベースに提案します。

元本の支払の減額、免除をしてもらうことは

任意整理の場合には容易ではありませんので、

元本の減額、免除を希望される会社については

民事再生をお勧めすることが多いと思います。

 

3 経営実態の精査と経営改善


 

 

法人特有の問題です。

個人の場合は家計の収支を見て、収入については概ね不変で、

支出については節約等を指導すれば良いので、話が比較的単純です。

 

法人の場合はさらに複雑です。

これまで法人の債務減免交渉は、

金融債権者に対して行うことに重きが置かれていたように思います。

いまでも金融円滑化の流れが続いており、

金融債権者は比較的話を聞いてくれやすくなっています。

債権譲渡等により債権者が交代済みの事案では、

時間がかかっても

回収額を増やすことをアピールできることも多いと思います。

 

返済をするために会社が存在しているわけではありません。

とにかく、

会社がキャッシュフローを生み出す体質をつくることが目的です。

売上の向上策を一緒に協力して考えていくことが最も重要なことです。

買掛金等で支払期日を延ばしてくれそうなところはどこかを

一緒に検討したり、固定費を見直すべき点は見直す、

という検討過程も経るかもしれません。

このあたりは多分にコンサルティングの領域を含みますが、

そうした点にも専門家が積極的に関与していかないと、

存在意義がないように思います。

 

4 債権者交渉


 

 

経営実態を把握して、

キャッシュフローを生み出す体質に変える努力をきちんと見せれば、

債権者も話を聞いてくれやすくなると思います。

交渉の方法は事案次第で、個別交渉か、

バンクミーティング等で交渉するか、再生支援協議会等の協力を仰ぐか、

いずれの方法が適切であるかを決めることになります。

 

5 弁護士費用

 

会社の規模、キャッシュフロー、交渉の労力等を予測しながら、

ご相談のうえ決めさせていただきます。

 

この領域では、やっかいなパフォーマンスを弄して

報酬を課題に請求する専門家がいるように感じます。

そのような振る舞いは避けるべきことと念じています。

 

弁護士野澤吉太郎について

 

■「倒産処理」についてのその他の関連ブログはこちら

倒産処理(1)

倒産処理(2)

倒産処理(3)

倒産処理(4)

倒産処理(5)

倒産処理(7)

 

■「倒産処理」についてのHPの詳しい情報はこちら

 

 

■相談・問い合わせはこちらをクリック■

--------------------------------

野澤吉太郎法律事務所

弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

「池袋駅」西武南口徒歩1分

TEL 03-6871-9537

HPはこちらをクリック

 

投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

倒産処理(5)任意整理(個人(消費者)の場合)

2016.01.31更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

今回は個人(消費者)の任意整理について書きます。

 

1 債権調査と弁済計画の立案


 

 

各債権者に対して一斉に受任通知を出します。

弁護士が受任通知を出した後には、お客様である債務者に対して債権者が直接接触し、取立て等をすることはできなくなります。

また、債務者は一般債権者に対して

弁済等を行うことができないのが原則です。

支払が止まっている間に弁済計画を立案し、

各債権者に弁済計画案を提示します。

通常、支払の停止を長期間続けることは好ましくありませんので、

ご依頼者と相談のうえ、早期に弁済計画案を立案します。

 

以上が通常の対応ですが、いくつか変則的なパターンがあります。

例えば、ヤミ金融への対応が必要な場合は、弁済計画案など提示しません。債務者への接触を直ちにやめさせることが最優先です。

また、最近は少なくなりましたが、

過払い金が存在する場合には、その回収も行います。

 

2 弁済案の内容


 

 

一切返済する必要がない相手(ヤミ金融)などを除き、元本の分割弁済をベースに提案します。

返済期間は3年程度であればほぼ問題なく、交

渉により5年程度にまで伸ばせる、という実感です。

元本の支払の減額、免除をしてもらうことは

任意整理の場合には容易ではありませんので、

元本の減免を希望される方については民事再生、

自己破産をお勧めすることになります。

 

3 所感


 

 

私が弁護士になりたてのころは、不良債権処理の時代であり、

3年程度の返済期間であっても和解案を受諾しない債権者もいました。

訴訟を提起されたり、強制執行申立をされたりして、

破産に移行せざるを得ないケースも多かった記憶です。

 

しかし、最近は不良債権処理の要請がそれほど強くなく、

債権者にとっても回収額を重視することが趨勢だと思います。

あまり難しく考えることなく、

お困りの方はご連絡いただければと思います。

 

4 弁護士費用


 

 

事案により異なりますが、

1債権者あたり2万円~3万円(消費税別)でお願いしております。

 

弁護士野澤吉太郎について

 

■「倒産処理」についてのその他の関連ブログはこちら

倒産処理(1)

倒産処理(2)

倒産処理(3)

倒産処理(4)

倒産処理(6)

倒産処理(7)

 

 

■「倒産処理」についてのHPの詳しい情報はこちら

 

 

■相談・問い合わせはこちらをクリック■

--------------------------------

野澤吉太郎法律事務所

弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

「池袋駅」西武南口徒歩1分

TEL 03-6871-9537

HPはこちらをクリック

 

投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

倒産処理(4)免責不許可意見

2016.01.30更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

今回は破産手続きに伴う免責不許可意見について書きます。

 

1 債権者が出す免責不許可意見


 

 

債権者は、破産者の免責を認めることが不当と考える場合には、

免責不許可意見を出すことができます。

もちろん、ただ怪しから、というだけでは採り上げられませんので、

破産法所定の免責不許可事由に該当することを

具体的に指摘して主張することになります。

破産者側と債権者側で主張立証を繰り返し、

場合によっては数ヶ月程度を要して許否が判断されます。

 

2 帰趨


 

 

裁判所が免責不許可決定を出すことは滅多にありません。

統計上も、免責不許可決定が出る件は極めて限られています。

 

しかし、債権者の代理人としては、

債権者の心情等に配慮して最善を尽くすことが重要です。

主張立証を積み重ねた結果、

最後に免責不許可決定を得たこともあります。

 

副次的に、別の紛争が解決する場合もあります。

建物明渡訴訟係属中に自己破産申立をした破産者に対して,

免責不許可意見を出したところ、裁判所が後見的に介入してくれて、

破産者が明渡義務を認める念書にサインすれば、破産者の免責を認める、

という処理をしてくれたことがあります。

ともかく、何事もあきらめないことが肝心です。

 

3 弁護士費用等


 

 

事案によりますが、

10万円以上(消費税別途)~というところだと思います。

多くの場合、免責不許可意見を出す債権者への配当は

期待できないことが多いですし、

免責不許可決定が出されることも非常にまれである、

ということを予めご了解いただきたいところですが、

このご了解をいただければ、最善を尽くしてまいります。

 

弁護士野澤吉太郎について

 

■「倒産処理」についてのその他の関連ブログはこちら

倒産処理(1)

倒産処理(2)

倒産処理(3)

倒産処理(5)

倒産処理(6)

倒産処理(7)

 

■「倒産処理」についてのHPの詳しい情報はこちら

 

■相談・問い合わせはこちらをクリック■

--------------------------------

野澤吉太郎法律事務所

弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

「池袋駅」西武南口徒歩1分

TEL 03-6871-9537

HPはこちらをクリック

投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

倒産処理(3)債権者破産申立(債権者側)

2016.01.29更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

次に債権者破産申立について書きます。

 

1 債権者破産申立


 

 

自己破産申立の場合は、債務者が自らの意思で破産申立をします。

これに対し、債務者が資産を隠匿している可能性があるなど、

その誠実性に疑問を抱かせるような場合には、

債権者が当該債務者について破産申立をする場合があります。

 

ここまでするに至る過程で、

債権者と債務者の関係は相当にこじれています。

社会の耳目を集めた消費者被害をもたらした法人などで

用いられることがありますが、

一般の弁護士が扱うことはそれほど多くない類型です。

私は何件か関与したことがあります。

 

裁判所は、債権者、債務者を呼び出し、審理を行います。

多くの場合、債権者は巨額の債権を有している場合が多いですが、

債権者が債務者の財務状況を正しく説明することは

それほど容易ではありません。

そのため、裁判所は非常に慎重に事件を審理しているように感じます。

債務者が破産を望まない場合には、破産手続開始決定まで数ヶ月、

ときには1年程度を要することもザラです。

事実上、申立外での和解により処理されるケースも多いです。

 

2 開始決定後の手続き


 

 

債権者破産申立によって開始決定が得られた後、

破産管財人が選任されますが、

その経緯からして債権者対応を念入りに行う必要があります。

また、法人と個人の両方が破産し、

事実上同一の機会に手続きが進行するほとんどの場合に、

その個人について免責不許可意見が出されることになりますので、

その対応も必要です。

相応のレベルの破産管財人が選任され、

時間を掛けて手続きを進行させることになります。

 

3 開始決定後の債権者代理人の関与


 

 

債権の回収の必要性、免責不許可事由に関する判断などは、

破産管財人、破産裁判所の判断によります。

債権者は情報を提供し、意見を出すことはできますが、

コントロールすることまではできません。

債権者代理人が成果を上げることは簡単ではありませんが、

最善を尽くすよう努力します。

 

4 費用等


 

 

弁護士費用等は、事案の軽重によりますが、

集会等の開催回数も多いので、100万円以上(消費税別途)+実費、にてお願いしています。

 

このほか、破産管財人報酬等に充てるための予納金を

債権者が納付する必要がありますが、

その金額は裁判所が決定することになります。

破産財団が円滑に回収された場合には、

当該予納金は当該債権者の元に戻されます。

 

弁護士野澤吉太郎について

 

■「倒産処理」についてのその他の関連ブログはこちら

倒産処理(1)

倒産処理(2)

倒産処理(4)

倒産処理(5)

倒産処理(6)

倒産処理(7)

 

■「倒産処理」についてのHPの詳しい情報はこちら

 

 

■相談・問い合わせはこちらをクリック■

--------------------------------

野澤吉太郎法律事務所

弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

「池袋駅」西武南口徒歩1分

TEL 03-6871-9537

HPはこちらをクリック

 

 

投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

倒産処理(2)自己破産申立て(法人の場合)と弁護士費用

2016.01.28更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

次は法人破産について書きます。

 

1 個人破産との違い


 

 

個人破産と法人破産の最大の違いは、当たり前の話ですが、

個人破産の場合、手続き終了後も依頼者は生きていかなければならない。

法人破産の場合、手続きの終了をもって依頼者は消滅する。

ということです。

法人破産は、その法人の法人格を消滅させる行為です。

法人が実在した痕跡を消滅させる、というと分かりやすいと思いますが、

破産手続きにまで至った以上、

混乱なくその法人を破産手続きの土俵に乗せ、

事案を破産管財人に引き継ぐことが仕事になります。

個人破産であれば、

破産手続きを経ても所持できるような物品であっても、

法人破産であれば何らかの方法で処分しなければなりません。

 

2 債権者への対応など


 

 

すでに休眠状態になった場合などは別としても、

稼働していた法人を破産させる場合には、

取引債権者への十分な対応が必要な場合があります。

感情がうずまいており、収まりがつかない債権者もいらっしゃいます。

取り付け騒ぎ等を防ぐために、

主要な財産、帳簿等を確保し、営業終了を告知します。

未払賃金がある場合などには、

労働債権者に対する対応も必要になります。

実務が混乱した状態の中で、

関係者の権利関係を精査していく作業となります。

 

場合によっては、破産手続とは別に

債権者に対する説明会等を開催することが適切な場合もあります。

 

3 弁護士費用など


 

 

法人の規模により異なります。

ほとんど

個人破産と同視できるような法人(従業員がいないなど)の場合は、

個人破産に準じた金額でお願いすることもありますが、

そうでない場合には、50万円(消費税別途)以上を基本とし、

法人の規模、財団の規模により、

個別にご相談させていただいております。

大規模な法人であり処理が複雑な場合には

100万円~200万円程度をお願いすることもあります。

 

ほぼ必ず破産管財人が選任されますので、

破産管財人費用が必要になります。

法人に残された財産から支出できる場合には

あまり問題になりませんが。

法人に残された財産がない場合には、

代表者の個人資産などから工面していただくこともあります。

 

弁護士野澤吉太郎について

 

■「倒産処理」についてのその他の関連ブログはこちら

倒産処理(1)

倒産処理(3)

倒産処理(4)

倒産処理(5)

倒産処理(6)

倒産処理(7)

 

■「倒産処理」についてのHPの詳しい情報はこちら

 

■相談・問い合わせはこちらをクリック■

--------------------------------

野澤吉太郎法律事務所

弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

「池袋駅」西武南口徒歩1分

TEL 03-6871-9537

HPはこちらをクリック

投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

倒産処理(1)自己破産申立て(個人の場合)と弁護士費用

2016.01.27更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

今回からテーマを倒産処理に切り替えて、何回か書きたいと思います。

まずは個人の自己破産申立について書きます。

 

1 自己破産申立


 

 

自己破産申立は、

大規模な法律事務所などで盛んに広告が出されている分野です。

弁護士以外に優秀なスタッフがいる事務所もあると思います。

確かに、マニュアル化できる要素も多いと思います。

しかし、個別の事案を見ていくと、

法律判断が必要な箇所が多々あります。

また、破産手続きの運用は、地方裁判所によって大幅に異なっています。

裁判所によってこれほど各種各様な手続きも珍しいところです。

 

これらの事情を踏まえ、結局は個別具体的に観察しなければなりません。

破産管財人として自己破産申立を観察することもありますが、

大規模事務所なので依頼者にとって優れた処理をしている、

という因果関係はないように感じます。

 

破産管財人を選任する破産管財手続が原則的な手続きです。

裁判所が選任する破産管財人が財産を換価し、破産財団を増殖させて、

破産管財人報酬等の手続き費用のほかに残余の財団があれば、

債権者への配当を行います。

破産管財人は、破産者の債務を免責して良いかどうかの調査も行います。

配当はおろか、手続費用も確保できないなど、

破産管財人を選任する意味に乏しい場合には、

同時廃止手続が選択されます。

この場合、破産管財人は選任されず、裁判所が免責調査を行います。

申立代理人側としては、同時廃止手続で済むのであれば、

そのまま済ませたい場合が多いので、

同時廃止手続で済ませられる心証を裁判所に得させるため、

様々な実務上の工夫を凝らしながら、準備を進めます。

 

2 弁護士費用


 

 

申立報酬と免責報酬に分けられます。

事案によりますが、申立着手金、免責着手金は、

20万円~30万円(消費税別途)にてお願いしております。

債権回収、財産処分等が絡む場合には、

上記とは別途ご相談させていただくことになります。

 

このほかに、実費がかかります。

申立代理人が要する実費は、

管轄裁判所、採用される手続きによって若干異なります。

収入印紙、予納郵券、官報公告費用、その他の実費で

概ね2万円~2万5000円程度となります。

 

3 その他の費用

 

破産管財人が選任される場合には、

破産管財人報酬を含めた手続き費用を予納する必要があります。

東京地裁では、最低20万円の予納金が必要です。

場合によって破産財団への財産の引き継ぎをする必要があるため、

予納金額が非常に大きくなる場合もあります。

 

費用が低廉であることを強調するためなのかどうか、

はっきりとは分かりませんが、

破産管財事件として取り扱われる件の

必要費用の説明の甘い弁護士が多々いるように思いますので、

この点はお気を付けいただくべきことと思います。

 

弁護士野澤吉太郎について

 

 

■「倒産処理」についてのその他の関連ブログはこちら

倒産処理(2)

倒産処理(3)

倒産処理(4)

倒産処理(5)

倒産処理(6)

倒産処理(7)

 

■「倒産処理」についてのHPの詳しい情報はこちら

 

■相談・問い合わせはこちらをクリック■

--------------------------------

野澤吉太郎法律事務所

弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

「池袋駅」西武南口徒歩1分

TEL 03-6871-9537

HPはこちらをクリック

 

投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

相続(5)遺言書検認と弁護士費用

2016.01.26更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

今回は、遺言書の検認について書きます。

 

1 遺言書検認が必要とされる場面


 

 

遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、

遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して、

検認を請求しなければなりませんが(民法1004条1項)、

この規定は公正証書遺言には適用されません。

公正証書遺言の全ての遺言について、

家庭裁判所による「検認」手続きを経る必要があります。

封がしてある遺言書は、家庭裁判所において

相続人(又はその代理人)の立会いをもって開封することになります。

 

家庭裁判所の外で遺言書を開封してしまうと、

偽造・変造などのおそれがあるので、

証拠保全の目的で行われる手続きです。

 

2 申立の方法


 

 

相続開始地の家庭裁判所に申立をします。

家庭裁判所は、遺言の方式、遺言書の状態などを検閲・認証して、

利害関係人の立ち会いのもと、検認調書を作成します。

家庭裁判所は、検認に立ち会わなかった利害関係人に対し、

検認をした旨を通知します。

 

遺言書が1通であれば比較的単純ですが、

複数通存在したり、

本当に遺言かどうか不明のものが存在する可能性が高い場合もあります。

開封できない以上、内容を検証できませんので、

遺言書と考えられるものがあれば、

全て検認の対象とするのが実務上の取り扱いだと思われます。

 

遺言の検認手続きを経ないで遺産分割等を行うと、

後で遺言書の存在が発見された場合には、

遺産分割後の相続財産の処分行為が無効とされるなどして、

当事者の権利関係が不安定になる可能性があります。

(特に、遺言執行者が指定されていた場合など)

 

3 弁護士費用


 

 

ご自身で行うこともできる手続きですが、

被相続人が亡くなられて間もないお忙しい時期に

家庭裁判所の手続きを経なければならないことは、

遺言書の保管者の方には重荷に感じられることがおありかと思います。

私が委任を受ける場合には私が遺言書をお預かりし、

責任を持って事務を遂行します。

弁護士費用は5万円(消費税別途)+実費にてお願いしております。

 

4 公正証書遺言のほうが紛争予防に優れていること


 

 

すでに自筆証書遺言が作成されている場合には、

検認手続きによるほかありませんが、

自筆証書遺言で検認を経ても、

遺言が有効か無効か、などの論点は解決しません。

せっかく遺言書を作成したのに、

方式等に関する疑義が生じてしまうことは、もったいないことです。

生前のご相談であれば、

公正証書遺言を活用されることをお勧めしております。

 

弁護士野澤吉太郎について

 

■「相続」についてのその他の関連ブログはこちら

相続(1)相続放棄

相続(2)限定承認

相続(3)遺言執行者

相続(4)遺産分割

 

■「相続対策」についてのその他の関連ブログはこちら

相続対策(1)

相続対策(2)

相続対策(3)

相続対策(4)

相続対策(5)

 

■「相続」についてのHPの詳しい情報はこちら

遺言・相続問題

 

■相談・問い合わせはこちらをクリック■

--------------------------------

野澤吉太郎法律事務所

弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

「池袋駅」西武南口徒歩1分

TEL 03-6871-9537

HPはこちらをクリック

 

投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

相続(4)遺産分割と弁護士費用

2016.01.25更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

今回は遺産分割について書きます。

 

1 相続分、遺産の範囲などの確定


 

 

遺産分割協議は相続人の全員により成立させる必要があります。

1人でも漏れがあると協議は無効になってしまいます。

そこで、協議の前提として、相続人の範囲を確定する必要があります。

市役所等から戸籍謄本を取得する必要がありますが、

被相続人の出生段階からの戸籍を取得する必要があります。

プライバシーの保護のため、兄弟姉妹等が相続人となる場合には、

当事者が取得することが難しい場合があります。

事案によりますが、

この段階で専門家に頼まなければならない場合が多いと思われます。

 

遺産の範囲を特定する必要もあります。

遺産か否かに争いがある場合には、

遺産確認の訴えなどを提起しなければならない場合があります。

遺産の評価等については、鑑定、査定などによって行うことになります。

 

2 遺産分割協議


 

 

遺産分割協議が成立したら遺産分割協議書を作成する必要がありますが、

所有権移転登記、相続税申告、預金の承継などの際に、

遺産分割協議書を作成する必要があります。

これらの手続きをする際には、

曖昧な文言を用いると途中で手続きが進まなくなる可能性があります。

また、事情により持ち回り等による署名捺印、

遠隔地にいる人の印鑑証明書の取得のお願いなど、

利害の対立する当事者間で調整的なお願いをする場面もでてきますが、

一定の職務上の信頼がある弁護士に

これを委ねたほうが良い場合が多いといえます。

 

テクニカルな側面を強調して職務を進めることもあります。

相続税申告において小規模宅地の特例などを用いたい場合には、

期限内に一部分割を行うことを促すなど、です。

 

3 遺産分割調停


 

 

協議が成立しない場合には

家庭裁判所において調停を行うこととなります。

詳細を書き始めるとこの程度のブログでは収まらないので、

簡単に書きますが、多くの場合、

劇的な勝利もなければ劇的な敗北もない、という、

紛争慣れしている弁護士から見れば、何とも不思議な世界です。

法定相続分という制度がある以上、当たり前といえば当たり前の話です。

その中でご依頼者にどのように納得していただき、

前に進んでいただけるような解決を見いだすかが、

弁護士の腕の見せ所です。

審判で予想される結果を踏まえながら、

アドバイスを行うことになります。

 

4 弁護士費用


 

 

協議の場合には、示談交渉事件の場合に準じて

着手金・報酬金(訴訟の場合を若干減額)にてお願いしております。

調停の場合には、事案によりますが、

訴訟の場合の着手金・報酬金の基準にてお願いしております。 

 

弁護士野澤吉太郎について

 

■「相続」についてのその他の関連ブログはこちら

相続(1)相続放棄

相続(2)限定承認

相続(3)遺言執行者

相続(5)遺言書検認

 

 

■「相続対策」についてのその他の関連ブログはこちら

相続対策(1)

相続対策(2)

相続対策(3)

相続対策(4)

相続対策(5)

 

■「相続」についてのHPの詳しい情報はこちら

遺言・相続問題

 

 

■相談・問い合わせはこちらをクリック■

--------------------------------

野澤吉太郎法律事務所

弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

「池袋駅」西武南口徒歩1分

TEL 03-6871-9537

HPはこちらをクリック

 

投稿者: 野澤吉太郎法律事務所