野澤吉太郎法律事務所 弁護士 野澤吉太郎

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顧問弁護士(12)海外事業担当の顧問弁護士

2016.03.09更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

海外事業に対する日本の会社の顧問弁護士の貢献について

少し書いてみたいと思います。

 

1 海外子会社に対する不正行為者に関する警告


 

 

企業法務通信のブログにおいて

海外子会社管理について何度か書いていましたが、

その過程で海外子会社に対する脅威となりうるトラブルを

発見することがあります。

これらについても、日本の弁護士として、

可能な範囲で対処することがあります。

 

私自身は、日本の会社の顧問弁護士として活動しています。

日本の会社の顧問弁護士としての名義で書簡を出し

、海外子会社に対する不正な競争行為などの違反行為を止めるよう勧告します。

裁判所などにおける紛争が生じた場合には、

その国で資格を持つ弁護士が活動しますので、

私は書簡を出し、必要があれば協議に参加することくらいが限度です。

しかし、顧問弁護士などがいない海外子会社が、

個別事案を弁護士に相談することは、それほど容易ではありません。

そのようなときに、日本の親会社の弁護士が、

自分のことを注視して見ている、というメッセージを

違反者に伝えることは、

違反行為などを抑止する大きなきっかけになります。

違反行為がなくなれば、海

外子会社はその国の弁護士に委任する必要がなくなります。

これも、広い意味で、

顧問弁護士のサービスの提供の一環だと考えています。

 

2 書簡の送付の方法


 

 

勧告書などは国際郵便で送ります。

フェデックスにて送ることが多いです。

私の事務所から徒歩3分程度のところに

フェデックスの集配可能な窓口があります。

電子メールに添付ファイルを添付して同送したりする方法も併用します。

 

3 日本の会社に対するサービスとして業務を行うこと

  (顧問料の範囲内で業務を行うこと)


 

 

この場合、私が受任者として業務を履行しているお客様(委任者)は、

日本のお客様です。

したがって、日本で顧問契約を締結していただけるお客様であれば、

警告書の発送自体は、

事実関係の調査等はお客様側にて行っていただいたうえで、

実費のみを請求させていただき、

報酬等については特にご請求しないこととしています。

 

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企業法務/海外子会社管理(10)総括~グループポリシー、戦略の構築

2016.03.08更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

海外子会社管理のブログの最後に、グループポリシー、

戦略の構築の必要性について書きます。

 

1 親会社の内部統制


 

 

海外子会社管理についてしばらくブログを書いてきました。

同様に、親会社については内部統制等について適正に構築、

実施されているかの調査が必要なことがあります。

海外子会社より親会社のほうが十分な内部統制を構築している、

とは必ずしも言い切れません。

むしろその逆である場合は、意外と多いかもしれません。

 

海外子会社の調査を粛々と行っている際に、

親会社の問題を発見、または自覚することがあります。

このような場合は、親会社のやり方、

ルールに固執することなく、良いものを取り入れていくべきです。

 

2 グループポリシー、戦略の構築


 

 

海外子会社調査を通じて、

海外子会社とのコミュニケーションをとり、

双方を改善していく過程で、

グループの戦略を構築していくことになります。

 

そして、戦略を構築する土台としてポリシーが必要です。

なぜ当該戦略を適用するのかを、説得的に説明しないと、

文化、取り巻く環境がまるで異なる人々の動きは鈍くなります。

根本的な理念、ポリシーに根ざした戦略であることを

かみ砕いて説明するために、

十分なコミュニケーションをとり続けることが

どれだけ必要なものであるか、私自身も痛感しています。

 

海外子会社の関係者などに対し、

モチベーション、価値判断基準を付与していくことが、

強いグループを創る礎となります。

日本の会社と海外子会社の双方の人材を教育し、

研修していき、本当に強いグループを創ることが必要です。

なすべきことは無限にあるように思います。

 

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企業法務/海外子会社管理(9)モニタリング体制の構築

2016.03.07更新

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主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

海外子会社管理のモニタリング体制の構築について書きます。

 

1 海外子会社管理の1サイクル


 

 

これまで記載してきたことは、調査の計画を立て、

分野ごとに具体的な調査の項目を決定し、

日本側で調べられることは調べ、

最後は現地調査を行う、という流れでした。

現地調査などを経た後には、

海外子会社の内部統制の整備状況、運用状況にまで、

一通りの観察をすることになります。

 

こうして発見した事情を日本の親会社の経営陣に報告します。

海外子会社の経営陣に対しても同様です。

改善すべき点があればその旨を簡潔に記載し、改善を促します。

 

2 モニタリング体制の構築


 

 

しかし、このサイクルをいちど回すだけではあまり意味がありません。

改善策を発案した後は、その実行を促し、実行されたかどうかを確認し、

フォローアップができたかどうかを確認し、報告しなければなりません。

 

さらに、新しい課題を見つけ出したり、

経営環境が変わったりした場合には、

一連のサイクルを最初からやり直します。

何度か回しているうちにノウハウが構築され、

他の子会社(国内外を問わない)にも

応用が可能になっていくように思います。

 

3 従業員がモニタリングを担当することに意味がある


 

 

経営環境はめまぐるしく変化しますので、課題は無限にあります。

まるでモグラたたきのようなものですが、

いちいち外部専門家に頼らないとサイクルを回せない、というのでは、

会社にとってコスト倒れであり、疲弊感が漂ってしまいます。

 

私たち専門家は、従業員の方々と一緒に悪戦苦闘し、

海外子会社の調査のサイクルを何回か回すことによって、

従業員の方々にノウハウを構築していただき、

いずれはその業務から離れるか、困ったときに助言する、

というスタンスに切り替えていくのが適切だと考えています。

このような考え方を貫くことが、

この分野の裾野を広げることにつながると思っています。

 

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企業法務/海外子会社管理(8)現地調査

2016.03.04更新

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海外子会社管理の現地調査について試論を書いてみたいと思います。

 

1 現地調査の意義


 

 

現地調査の意義は、

日本の親会社(のトップ)と海外子会社をつなぐことにあります。

通常、現場の情報は

企業グループで定められた正規の報告系統を通じて上がってきますが、

伝達過程が複数になるほど、伝言ゲームのようになり、

正規の情報が上がらなくなります。

このことは、海外子会社に限った問題ではありませんが、

地理的に離隔している海外の子会社の場合には、

問題はより深刻になります。

 

日本の本社側の人間が定期的に視察に訪れることは、それ自体が、

隠し事をしない緊張感をもたらすことにつながります。

 

2 契約締結フローなどの確認


 

 

法務の分野でいえば、例えば、

その海外子会社にとって

存立基盤というに等しい契約(例えば合弁契約、本社の賃貸借契約)

などは、契約書の最終チェックを促すメールとともに送信されたりします。

このような場合は、最終の文案を本社が確認をすることができます。

 

他方で、担当者が行う契約交渉過程などを逐一知らせることは、

それ自体面倒なので、あまり一般的ではないように思います。

しかし、日本の親会社は、海外子会社が構築する取引網を利用して、

自らの取引網を拡大することを企図して海外進出をしているので、

海外子会社が構築する取引網が

万全のものであるかを確認する必要は非常に大きいものです。

例えば、関係者への根回し等の不足により、

実現可能性が100%とは言えない契約を

締結しているような場合もあるかもしれません。

日本の本社がその契約の履行を前提として国際契約を締結してしまうと、

日本の本社側も実現可能性のリスクに巻き込まれることとなります。

 

この種の確認は、日本の親会社が積極的に聞いていかない限り、

情報を取得すること自体がそもそも容易ではなく、

その真実性の判断は、

現地調査を行わない限り難しいように思います。

 

中小企業が海外進出する多くの場合、

その海外子会社の規模も大きなものではありません。

小さな規模の海外子会社などにおいては、

業務手順を確立する十分なリソースがなく、

契約交渉も

個々人の(悪く言えば我流の)ノウハウによるところが大きく、

ばらつきがありますので、

実地で確認することの重要性は大きくなります。

 

3 現地で湧くイメージ、アイデアの重要性


 

 

国内の既存の弁護士業務でも同じことですが、

現地を確認することは非常に重要です。

現場に行かないと思いつかないこと、

イメージが沸かないことは、山のようにあります。

デスクと現場が離れていると、よほど注意していないと、

知らず知らずのうちに、現場感覚から離れてしまいます。

日本でどのように綿密に検証しても、現場調査は絶対に必要になります。

その必要性は、日本の親会社が規模の小さい企業であるほど、

大きくなるのではないかと思っています。

そのようなニーズに応えていくことが求められていると思っています。

 

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顧問弁護士(11)~従業員やその関係者からの相談も担当します

2016.03.02更新

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テーマを変え、顧問弁護士について

ふたたび書いてみたいと思います。

 

1 会社の従業員の方々からの法律相談


 

 

事務所が顧問契約を締結しているお客様の会社を訪問して、

法律相談を受けていた時期があります。

お客様の会社、その子会社などの法律相談を受けていました。

それに加え、件数はあまり多くありませんでしたが、

その会社の従業員個人の法律相談を受けることもあり、

状況によっては、代理人として訴訟提起をしたことなどもありました。

自ずと限度はあったと思いますが、

お客様の会社は、相談時間が空いているときは、

容認してくださっていたように思います。

そのお客様の会社の場合、

代理人となる場合は弁護士報酬契約を締結しましたが、

法律相談料のレベルであれば、特にいただいておりませんでした。

 

会社の顧問弁護士に個人のことを相談して良いのか、

という社内の雰囲気はいまだにあると思います。

しかし、今後の弁護士像を考えていくときに、

会社の従業員(役員も含む)の法律相談もお請けできる空気を率先してつくることは、

かなり重要なことであるように思います。

 

労使紛争など、会社と利害対立することが明らかな事案については、

相談、受任することができません。

また、少し専門外であるような事案の代理人として活動する場合は、

他の弁護士に回したりすることもあるかもしれません。

しかし、弁護士である以上、相談を受けてアドバイスすることは、

全ての領域において可能であり、過去の経験上、

たいていの場合は自分たちで処理していたように思います。

 

2 社内制度としての顧問弁護士


 

 

(しつこくて申し訳ありませんが)

今後、人工知能などが

企業法務を代替するようになる可能性が高い状況にあっては、

弁護士が、人間味をもって社内のコミュニケーションを円滑にする活動を

積極的に行うことは、非常に重要なことのように感じます。

 

会社の従業員は執務時間中は忙しく、有給休暇などをとったり、

夜間にならなければ法律事務所に行けませんが、支障があることが多いと思います。

しかし、会社のコンピュータを利用して正解を求めたりすると、

アクセスの履歴が残ってしまったりするので、

サボりだと断定されたりするかもしれません。

解決のために個人が活動する時間は、わりと限られています。

従業員が個人の立場で重大な問題を抱えていたりすると、

仕事のモチベーションが下がることもあります。

当然ながら、個人の秘密を他人に漏らすようなことはしませんし、

ご心配であれば守秘義務契約を締結すればよいと思います。

 

従業員だけでなく、

場合によってはその家族、重要な友人などの心配事が、

その従業員の心配事になったりするようなこともあります。

そのような事案でも、

まずは気軽にご相談いただく体制をつくることが必要だと考えています。

 

リーガルサービスの提供は、

一種の福利厚生とみることができるように思います。

誰かが何かの問題を感じたときに、

会社の弁護士に無償で法律相談できる、という体制を、

会社とご協力して整え、それをうまく解決し、

その会社のステータスや存在価値を上げる活動に繋げることは、

職業冥利に尽きることだと考えております。

 

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弁護士業務の新規開拓など(11)~技術革新とビジネスモデルの再構築

2016.03.01更新

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主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

弁護士業務の新規開拓のテーマを再び書いてみようと思います。

 

人工知能についてふと問題意識を持ったので、

その内容を絡めたブログを書いていましたが、

調べれば調べるほど、

人工知能の技術革新の凄まじさに驚くばかりでした。

これは思っていたより大変なことだと感じ、

もう少し続きを書くことにしました。

 

1 技術革新


 

 

あと30年、40年先をイメージして

弁護士業務の新規開拓に関するブログを書いていましたが、

認識がかなり甘かったようです。

米国の法律事務所のパートナー弁護士に対するアンケートの結果では、

今後10年以内に、パラリーガルやアソシエイトの地位にとってかわる、

とお考えの弁護士が多かったようです。

http://www.altmanweil.com/dir_docs/resource/1c789ef2-5cff-463a-863a-2248d23882a7_document.pdf

パートナーの地位ですら取って代わられるのではないか、

という問題意識をお持ちの弁護士すらいらっしゃるようです。

テクノロジー、技術革新などに対して

鋭敏に目を付ける国は、だいたい米国だな、と痛感します。

 

企業の法務部が専門性のある弁護士を選ぶ、

といわれる時代になってきていますが、

下手をすると企業法務の弁護士が沈没するだけでなく、

法務部自体もなくなるのではないか、という気すらします。

 

コンピュータは365日24時間稼働し、

膨大なデータを集積し、分析しますが、

その経験の習得のスピードは、足し算ではなく、

何乗、何十乗(もっと?)の掛け算のイメージだと思われます。

人間が意識しない間に技術革新が

私たちの間近に迫ってくるところが恐ろしいところです。

クルマの自動運転機能のCMを見ると、ふーん、と思いますが、

よく考えてみると、とんでもないことです。

最近は投資用コンピュータが投資判断をして

株式市場を値動きさせているとも聞きます。

 

こうした事態に特に注目せずに過ごしてしまうと、

個々の人間の経験、根性論などが、

あらゆる分野で吹き飛ばされてしまうように思います。

これこそ、法曹の増員のインパクトなど問題にならないくらいの

強烈なインパクトではないかと。

 

2 イノベーションの重要性


 

 

弁護士業務を新規開拓するには、

顧客開拓、専門性の深掘など、いろいろな方法があります。

現在のところ、事業を成り立たせるためには、

専門性を深める必要がありますので、

私自身も、遮二無二にその研鑽を積んでいます。

 

しかし、長い目で見ると、

論理性、ひらめき、知識などをあらゆる領域から吸収し、

いままでにない異質な分野、未解決の問題を見つけ出し、

それを対処する仕事をしていくという、イノベーションの繰り返しが、

最も重要なのではないかと感じています。

専門性を身につける過程で、本に書いていないことを読み取り、

他の分野に応用し、さらに新たな発見をする、など、

あらゆる知恵を振り絞って

コンピュータの裏をかき続けるしか方法がないかと思います。

 

3 人の心を動かす仕事


 

 

弁護士業務のビジネスモデルを再定義する必要があるように思います。 

イノベーションを繰り返し、

人間が自分のために執務していることの感動を与えることを、

職業人としてのモットーにしていかなければなりません。

弁護士とイノベーション?人の心を動かす?という言葉だけを見ると、

何か変な感じを与えてしまいそうですが、

将来の社会を自分なりに見据えると、

必然的にそのような答えが出てきてしまうように思います。

 

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企業法務/海外子会社管理(7)その他の調査と法務の関係

2016.02.29更新

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海外子会社管理のその他の調査(マーケティング・財務など)

については、いまだに門外漢ですが、

弁護士としても活動しているメンバーとして

どのようにアプローチしていくのか、

私自身の今の希望を書いてみたいと思います。

 

1 マーケティングに対する寄与


 

 

現状の取引先、取扱品目などの

データの分析と外部環境(統計など)の分析を行い、

それらの比較検討から何を読み取るか、

という推論の過程を経るように思います。

経験則に基づく推論には、事実認定の手法が役立ちます。

 

推論に供する証拠収集も重要です。

具体的には、各種統計などの資料の収集をすることになりますが、

これは誰にとっても大変なことです。

ですが、私自身も紛争案件の証拠として提出するために

統計資料を探索することなどは多々あります。

特に、これだけインターネットが発達した時代にあっては、

情報の検索の経験を積むことが、

どの仕事をするうえでも共通に役立つものだと思われます。

 

顧客クレームの内容の分析も重要です。

法的観点から取りあげるに値するか否かを検証するために、

その内容を丹念に分析すると、

クレームの内容と裏腹に、

顧客がどのようなニーズを当該会社に期待しているのかが、

おぼろげながらに分かることがあるように思います。

 

大口顧客に対する契約内容、対応が、

他の取引における水準と比較して異常なものであれば、

その顧客との取引を止め、新規顧客を開拓すればよいのではないか、

とアドバイスすることもできるように思います。

 

2 財務


 

 

現預金の管理手法は適切か、債権回収が円滑に行われているか、

リース資産の取り扱い、付保の状況の確認など、

重なり合う部分は多いように感じます。

 

また、法律上認識される債権債務と会計上認識される債権債務とが

異なる場合が多々あります。

簿外の債権債務ないし潜在的な債権債務があるか否かの調査は、

弁護士が寄与する割合が高いように思います。

 

異常な取引慣行が計上の前提となっていないかどうかを検証し、

おかしい内容のものがあれば

改訂するよう意見を申し上げる必要もあると思います。

 

3 ルール化、マニュアル化の必要性


 

 

2つの事例を挙げましたが、その他の分野においても、

最終的には、ルール、マニュアルの策定が必要なように思います。

あるべきルール、マニュアルをイメージして

活動していくことになります。

マーケティングについてはポリシーを策定することに寄与して、

ノウハウを社内で共有するところまでたどり着ければ理想的です。

経理財務についても適切なマニュアルを策定して、

不正発生の危険を軽減することができます。

 

 

以上を要するに、

結局は内部統制という切り口から他分野についても貢献していく、

ということになります。

内部統制について専門性を高めていく必要性を痛感しています。 

 

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企業法務/海外子会社管理(6)内部統制活動の設計と業務フローの確認

2016.02.28更新

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海外子会社管理の援助の際に、

内部統制の整備状況を確認する中で、

業務フローの確認なども行うことがあります。

私自身もいまだ手探りの状況であり、

本当はきちんとした内容を書く自信はないのですが、

試論を書いてみたいと思います。

 

1 内部統制活動


 

 

COSOフレームワークなどの枠組みでは、内部統制活動は、

「統制環境の確認」「リスク評価とその対応」

を経た後にでてくる概念ですが、

実際の内部統制構築においては

大きなウエイトを占めるように思います。

 

業務を実施するにあたって、

必要な方針や手続が立てられているかなどを

検証することになりますが、

職務権限の分配、職務分掌の規定などが備わっているか、

マニュアル・システムの統制が構築されているかなどを

確認することになります。

 

職務分掌の定め方などについては、

親会社の定め等を参考にするなどして、

きちんとしたルールを策定すれば

一定の効果が上がるように思います。

問題は、海外子会社の規模が小さいような場合です。

職務上のコンフリクトが発生しても、

兼任等をせざるを得ない場合があります。

現金管理と出納処理の担当者を分けられない場合などは

悩ましいところです。

不正を防止する体制の構築に工夫を凝らす必要があります。

 

マニュアルについては、

労働安全衛生、環境保持、危機管理などが

主たるテーマになるように思います。

システム統制については、

システム構築を外注している場合などには、

運用方針、手続きについて、

担当者レベルの統制が機能しない可能性があるので、

情報改ざん、情報漏洩のリスクがないのかを、

重点的に検証することになります。

 

2 業務フローの確認


 

 

方針・手続と実際の業務との整合性を確認しないと意味がないため、

最終的には実地の確認を行うことになります。

特に情報システムなどは、

実際にシステムの作動状況を検証し、確認することが必要です。

 

方針、手続の定めがあろうがなかろうが、

現地における業務フローの確認は重要です。

それを参照し、

どのような規定(職務分掌規程など)・マニュアル・システムが

望ましいかを、費用対効果を睨みながら、

改善に繋げる活動を継続的に行うことになります。

 

また、生産活動が絡む場合においては、

生産管理の手法などについて

一定の理解を得なければならないように感じています。

もっとも、専門家が書籍を読んでイメージするだけでは

どうしても不十分で、親会社の現場担当者の知見を借り、

ヒントを得ながら、見解をまとめることが一番良いように思います。

 

左脳と右脳をフルに使わないとできない仕事ですが、

非常に刺激的な領域であり、

経験を積んでいきたいと思っています。

 

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野澤吉太郎法律事務所

弁護士 野澤吉太郎(のざわ きちたろう)

〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番20号ぬかりやビル6階

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TEL 03-6871-9537

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投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

企業法務/海外子会社管理(5)コンプライアンス・法務デューディリジェンス

2016.02.27更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

海外子会社管理の援助の際のコンプライアンスチェックと

法務デューディリジェンスの活動について、

試論を書いてみたいと思います。

 

1回のブログで網羅的に書くことは困難であるため、

比較的小規模な海外子会社をイメージして

ざっくりとしたあらましを書いております。

 

1 関連法規の確認


 

 

法務部機能が不十分な海外子会社などにおいては、

そもそも、自社の事業と関連の深い法律が何なのか、

正確に把握しきれない場合があります。

これは日本の子会社においても、多かれ少なかれ同様のことですが。

 

国、あるいは州によって法律の内容は異なりますので、

ビジネスモデルを聴き取った上で、

投資情報等を参照しながら、該当する法律を探索します。

最近はインターネット等が発達しているため、

何某かのルートで情報にたどり着くことができます。

 

しかし、一から作業を行う場合には、結構時間がかかります

公的機関のアドレス等をメモしておくと、

法律が改正されたような場合にもリンクできるので、便宜です。

重要なものに絞ってある程度一覧性のある表を作成したりして、

従業員に対する啓蒙に用いると良いと考えられます。

 

2 体制の確認


 

 

法規範が確定できたら、法の遵守、ルールの作成、

従業員への意識付けがなされる体制がとられているか、

重要な基本契約の内容は法規範に適合しているか否か、

などを確認していくことになります。

 

力点の置き方は個々の事案によって異なります。

金銭不正等を防止するための役割分担の方法、

二次チェックの態様等を確認したり、

従業員の意識を高めるために

継続的に啓蒙を行うプログラムを構築することなどが重要です。

研修などを実施して、労働安全衛生、環境、贈収賄防止などの

基本的なモラルを向上する取り組みも考えていく必要があります。

 

3 法務デューディリジェンス 


 

 

コンプライアンス上の問題はそれほどないような場合でも、

ビジネスの遂行上の不確定要素(リスク)が

契約書の条項中に紛れていることがあります。

契約書の確認のプロセス等が

しっかりと構築されていないような場合には、

比較的安易にそのような条項を受け入れてしまうことが

あるように思います。

 

重要な契約書を入手し、必要に応じて経営陣の見解を聞きながら、

重点的に調査すべき点を絞っていきます。

一般的には、契約の禁止事項、解除の条項などに

注意する必要があるように思います。

場合によっては

契約の修正をお願いしたほうが良い場合もあるかもしれませんし、

反省点を活かして法務機能を構築する足がかりにすることも

考えられると思います。

この点については、弁護士の活動領域は広いと思います。

 

4 重要なこと~精査のプロセスを会社の従業員の方に覚えてもらうこと


 

 

弁護士や会計士などの専門家でないと

これらのプロセスを遂行できない、ということはありません。

従業員の方々と一緒にノウハウを構築し、

精査のプロセスを体得していただくことが最も重要だと思います。

従業員の方もチームに加わっていただくなどしたほうが良いと思われます。

 

中には、体制が十分に整備され、

子会社監査のノウハウが確立している会社もあるかもしれませんが、

あの子会社では何をしているのか分からない?

というところから調査が始まるのが、多くの会社における実情だと思います。

海外子会社は星の数ほどあります。

私たち専門家も特定の会社に拘り続けるのではなく、

ノウハウを提供、創造、共有して企業と助け合うことに

活路を見いだしたほうが良いように思います。

 

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投稿者: 野澤吉太郎法律事務所

弁護士業務の新規開拓など(10)~情報法、情報ビジネス専門弁護士

2016.02.26更新

東京都豊島区の池袋エリアの法律事務所で

主に城北エリアを中心に弁護士の活動をしております、野澤吉太郎です。

今後ニーズが高まるであろうと思われる、

情報法について書きたいと思います。

 

1 情報法、情報ビジネスについて専門性を磨くことの重要性


 

 

人工知能の盲点を突いて付加価値を付ける方法について

試論を書いてみましたが、

それよりも、圧倒的に重要な分野が、

人工知能の活動を適正に統制し、これをいかに社会のために使いこなし、

人間が人間らしく生きることのできる社会を目指すか、

そのためにいかなるルールを定めるべきか、

という情報法の分野だと思われます。

 

人工知能同士が戦争を起こしたらどのように対処するのか、

その危険性などについても、世界中で真剣に議論が交わされています。

例えば犯罪の端緒を人工知能が認知した場合に、

徹底的に証拠収集を開始し、

事実認定を行い、量刑相場を斟酌し、

判決を言い渡して、刑を執行する、

というところまで行き着いてしまうと、

刑事事件なども不要になるのかもしれません。

しかし、そのような社会を人類が容認することは

さすがに想像できません。

どこかで歯止めが必要です。

 

人工知能がもたらす圧倒的な情報量を

どのように適正にコントロールし、

人間が人間らしく生きていくためにどうすればよいか、

そのルール作りをするための専門性の磨き方は、

非常に重要になるのではないかと思っています。

 

2 ビッグデータの利活用など


 

 

科学技術が発達しているものの、

ルール策定がその発達に十分に追いついていない例として、

いわゆるビッグデータの利活用の問題があります。

小売業の世界などでは、個人の購買情報などを分析した結果が、

マーケティングに活用され、大きな成果を生み出していますし、

インターネットでも、検索履歴等が集積されています。

これらの利活用の方法については議論が始まったばかりであり、

私自身もその進展を注視しているところです。

 

対象物が膨大であるが、

目に見えないというところが非常に厄介だと感じています。

目に見えないものの特性を、

どのように忠実に、簡潔に言語表現すれば良いかが問われており、

この点については、

デューディリジェンスと相通じる問題意識を感じます。

 

3 科学技術の発展を法規制が後追いしている分野であること

 

法律の世界では、個人情報保護法などが制定、施行されています。

情報法は死活的に重要であるという問題意識を持ちながらも、

私自身、まだ不勉強なところが多く、苦心しています。

 

これからは、ルールが追いついていない領域についても、

率先して研鑽を深めなければならない時代が来ていると思います。 

科学技術の発展に法規制が追いついていない分野については、

この分野については、

一発逆転も十分に可能ではないかと考えています。

私自身も、ビジネスの現場になるべく近いところから知見を得て、

今後の社会の動きを見据えながら、

専門性を磨いていきたいと考えています。

 

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